Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

昔ならば門外不出の幻の酒・・・「2022年度醸造 純米吟醸 無濾過生原酒〈白隆〉槽しぼり」

次々といろいろな新酒が出てくるので、その全てを頂くコトも出来ない。だが「熊本酵母使用」という文字を見つけると気になる。一度は購入を見合わせたが、今度は「熊本酵母」にとらわれてしまう。実に困ったコトだ!

このような場合は、やっぱり購入してしまうのが開放される早道なので購入した。コレって蔵元の販売戦略なんだろうか?だが、日本酒自体にあまり興味の無い人ならば、酵母がナンであるのか?なんてど~でもよいコトだろうからねぇ・・・呑んで美味けりゃソレでイイ!

だが少々、日本酒に興味が出てくると、酒米なナニか?酵母がナニか?日本酒度は、酸度は?と気になってしまう。挙げ句にはそういったスペックだけで満足して呑んでいる方もおられるような・・・?

まあ、本人が充実していればソレでイイんだがねぇ。

 

日本酒マニア・・・なんでもマニアってぇヤツはそ~ゆ~コトだ。ワガハイ的に一番よ~分からなかったコトはクルマやバイクのマニアだ。少々批判になるがねぇ・・・。

くまもとこうぼ・・・

若い頃の話しだ。巨大な逆輸入バイクを購入した知人がいて、さっそく吸排気効率向上のためにエアクリーナーとマフラーを交換したという。ありがちなカスタム化の定番だ。そしてエンジンをかけて軽く空ぶかし・・・「いい音だろう!」

いい音かどうかは、個人の趣味の問題である。ワガハイ的にはうるさいだけだった。こういうのはシチュエーションにもよるんであって、ヨシムラやらモリワキの集合管(排気管)も、サーキットでの高回転使用時のサウンドは、ナルホド、コレはコレで音がイイっていう人もいるだろうなぁ・・・と、説得力はある。だが、ソレを巷でやられると不快である。

だが、知人は吸排気系をいじったにも関わらず、キャブレターの調整がイマイチだった。なんか燃調が変?混合気が濃くない??

後日、彼は自分で調整したものの、複数のキャブのバランスを崩してしまってバイク屋さんに調整してもらったらしい。全くもって、素人はプロに任せるべきである。

数年後、彼のバイクはエンジンブロー!3万キロ程度でエンジンの載せ替えとなった。コトの詳細を聞くと、水温計が上昇しやすかったと・・・それで頻繁にキャブ調整をショップに依頼していた・・・と。

まあねぇ・・・吸排気効率が上がって、ソレだけ多くの混合気が燃焼していくコトでエンジンの発熱量が増えた・・・と。にも関わらず冷却系が追いつかなかったんじゃね?

性能の良いスポーツバイクのエンジンは、結構ギリギリのチューニングがされているだろう。メーカーさんはチャンと性能と寿命の絶妙なバランスの設計で商品化されているんである。ナニかいじれば、そのバランスは簡単に崩れてしまうだろう。

いじったら、よりきめ細かなメンテナンスが必要になり、より神経を使って動かさなければならない。つまり、面倒が増えるだけだ。

2022年度醸造 純米吟醸 無濾過生原酒〈白隆〉槽しぼり

日本酒の話しに戻るが、生酒もまた、ある意味マニアックである。そして川西屋酒造店もそうだが、小さな地元の酒蔵が醸す新酒生酒、しかも無濾過生原酒っていうのは、取扱いをしっかりとしないと香味が壊れてしまう。保管温度が問題なのだ。

ワインならばグランクリュ!その取扱いと同じと思っても良いだろう。

室温放置はもっての外である!

 

搾ったばかりの日本酒には、酵母だけではなく様々な酵素も含まれているという。それらが活発に活動してしまうと、酒の香味が変化していってしまう。大抵は好ましくない方向に変化していく。だから一回火入れで酵素の活性を止めて新酒として売り出す「杉錦」のような方法もある。

酒販店に対して保管方法を徹底してもらったつもりでも、売られた酒の品質に問題が生じれば、酒蔵に苦情が行くからねぇ。そして返品の対応までしなければならなかったりする。「基本、日本酒は火入れ酒である」というスタンスに立てば、生酒で呑めるのは酒蔵の蔵内消費・・・つまり門外不出の酒。

だからねぇ・・・冷蔵庫をズラリと並べて、バックヤードにも冷蔵庫があって、それで無濾過生原酒を売られている酒販店も大変だ。昨今、電気代も値上がりだし。

 

だから、日本酒マニアは気になるのである!酒販店の経営が成り立たなくなれば、旨酒の販路がなくなって、無濾過生原酒は再び門外不出の幻の酒になってしまう・・・と。

な~んも知らなければ、思い煩う必要のないコトなんだがねぇ。

勿論、購入したら冷蔵庫に直行!は厳守だね。旨酒を楽しむには面倒も引き受けなければならない。

裏ラベル

熊本酵母については以下リンク先を参照されたい。ワガハイがアレコレ説明するまでもないだろう。

きょうかい酵母と熊本酵母|熊本酒造組合

ザックリと言えば熊本酵母は協会9号酵母と近縁の酵母であり、特徴は似ている。酸は穏やかであり、協会7号系酵母好きのワガハイとしては、やや物足りなさを感ずる。酸度1.9という裏ラベルの表示に目を疑う程だ。ならば日本酒度をもっと+に振って欲しくなるのがワガハイ好み。

だが、トータルバランスではイイ感じなのだ。コレなら日本酒をはじめて味わう方でも大喜びされるのでは?単に水の如くスッキリした酒ではなく、しっかりと味わい深さのある酒でも口当たり良く、盃が進む酒もあるんだなぁ・・・と感心されるのでは?それに若水という酒米にありがちな香味の固さも少ない。ブラインド・テースティングだとしたら、7号系酵母ではないコトは間違いなく分かるが、若水だと直ぐに感ずるコトが出来るだろうか?

酵母による味わいの違い・・・特に酸の質について顕著な差異を楽しめた1本だった。

etsuro1.hatenablog.com

上リンク先での〈隆〉は、協会701号酵母だったな。コレは薄くにごりが絡んでいるケドね。