Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

「2022年度醸造 純米吟醸 無濾過生原酒 〈赤紫隆〉槽しぼり」・・・抜栓直後のひと口目にて香味炸裂!

無濾過生原酒 越後五百万石

「無濾過生原酒」・・・なんという耽美的な語感だろう。その文字を見つけるだけで思わず陶酔してしまいそうだ。

もっとも生酒は温度管理が重要で、暖房の効いた店内や部屋に置きっぱなしにするワケにはいかない。冷蔵で管理すべきだ。デリケートな酒なので、管理の行き届いた酒販店で購入すべきだ。

もっとも、「丹沢山・隆」を多く扱う酒販店の場合、蔵が温度管理に関して厳格な要求をされているのか?どこでも妙な管理をしている状態を見たコトはない。しっかりと冷蔵庫に陳列されている。

というワケで一升瓶で購入すると、家庭用の冷蔵庫では保管が大変!出来れば四合瓶で購入したい・・・と思われるなら、購入は急ぐべきだ。やっぱり四合瓶から在庫は消えていくように思う。

でも、ワガハイは出来るだけ一升瓶で買う。それは一升瓶の方がお得だし、数日かけて味わうコトで香味変化を楽しめるのが理由だ。だが、家庭用冷蔵庫だと一升瓶って入れ辛いよねぇ。

我家の冷蔵庫は、型番からすると500Lの容積だと思う。まあまあ家庭用冷蔵庫としては大型だろう。だが、一升瓶を縦に入れるのは無理。横にして入れる。しかも奥行きがキツイから斜めに入れる。そういうワケで一升瓶を2本入れるのは厳しい。他のモノを整理しなければならなくなってしまう。

というワケで、一升瓶の生酒は1本購入するとソレを呑み終えるまでは次を買いに行けない。

それはともかく、抜栓して中身が減った一升瓶は、栓をしっかりとして・・・気休めだがラップを巻き、ソレが外れないように輪ゴムでキツく巻いて・・・致し方なく横に寝かせた状態で冷蔵庫に入れる。

この状態では瓶内の空間が増えるため、残った酒と空気が接する面積は増えてしまう。というコトは酸化が進むワケだから・・・柔な酒だとドンドン香味が開いて終わってしまう。ところが、川西屋酒造店のお仕事はその程度ではへこたれない。むしろ丁度良いかもしれない。2日目の香味、3日目の香味は丁度良い感じに開いていく。

場合によっては3日目まで大した変化が無かったりするからねぇ。

etsuro1.hatenablog.com

 

さて、矢継ぎ早とはこういうコトと言わんばかりに、川西屋酒造店の新酒仕事が繰り出されている。コレだけ様々な新酒を生酒で発売する酒蔵も少ないのではないかと思う。それは、米の種類による味わいの違いを堪能して貰いたいという蔵元の方針だと思う。フレッシュな酒ならではの、酒米の違いの面白さっていうのはあるからねぇ。

火入れした酒や、熟成酒でも酒米の差異は現われるが、やはり生酒に比較してキャラクターのカドは丸くなるだろう。そうしたカドを落とさない・・・つまりキャラクターをしっかりと表現し、ソレを楽しむには「隆」の生酒は有り難いシリーズだと思う。

そうしたコトから、昨年末に呑んだ「隆 若水 無濾過生原酒」はしっかりとした個性を見せつけてくれた。ただ、強烈に美味かったから少しの間、日本酒をお休みしてワインを呑んでいたケド。

そしてやっと川西屋酒造店の「五百万石」を購入した。

隆 五百万石

コレがまた・・・抜栓直後のひと口目にてぶっ飛んだ!

モロミを袋に淹れて積上げ、流れ出した液体を掬ってワガハイの目の前に差し出された社長さん・・・随分と昔になったが、あの時の記憶が蘇ってきた。

本当にしぼりたての酒って、炭酸分を多く含んでいたりするから猛烈に辛く感ずる。それを澱引きしたり、瓶詰めしたりといった作業の中で少しずつ空気酸化を受ける。そうして米を原料とした酒らしい味わいが顔を出してくる。

ワインもそうだけど、発酵工程ばかりが酒造の要ではなく、その後の工程の扱いがどの様であるかによって・・・ってトコロが生かすも殺すも・・・というワケだ。だから澱引き作業なんかの手際が悪いとダメだよねぇ。

裏ラベル

ワガハイ、今まさに槽から流下している酒をテースティングした時は、ソレがどの様な状態であるか?なんて全く分からなかった。ただただ、生まれたての酒は強烈に舌を支配し、香味分析を拒絶した。

まあ、この購入した五百万石は瓶詰めされているし、そこまで強烈ではない。だが、どうしてもあの時の強烈さが蘇ってくる。あの槽の前でのひと口も「五百万石」の純米だったなぁ。

etsuro1.hatenablog.com

この「隆 純米吟醸 無濾過生原酒 越後五百万石」も、抜栓したら少し間を開けた方が楽に味わえる。概ね10分前後かなぁ?ちょっと待つと良い。でも開けたてのインパクトを体験したいなら是非、味わってもらいたい・・・ソレは一瞬の楽しみだから。そしてサッサと購入しないと瓶内でも熟成は進むから・・・酒屋に走るしかない。