Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

洗練度の高い室町酒というコトで・・・杉錦 菩提もと純米 2023BY

我家の定番!「杉錦 菩提酛」

すいませんねぇ・・・冷蔵庫に横にして入れているので、ラベルを棚板で擦ってしまった。これは呑みかけを冷蔵庫に仕舞う時に擦ってしまうとこうなる。結露しているからラベルがフニャフニャなので。

それで・・・マイド日本酒にせよ、ワインにせよ、だいたい書いているコトが似ていると思われるだろう。それはそれぞれの酒に、飲み頃というタイミングがあるから仕方ない。抜栓直後は硬い香味イメージ。暫くすると香味が開いてくる・・・多くはそういうコトになると思う。

それは、適当な空気酸化によって味わいが穏やかになっていくのが、まあまあ酒の香味というものなのだから、そ~ゆ~摂理なんである。製造工程でも、ただただ上槽したり、澱引きしたりしているワケではなくて、そういう工程で適度に空気に触れて香味が形成されていくのだ。

だから、チョットした製造工程の手順に違いがあると、味わいは変化してしまう。もっと神経質になれば、その工程に関わった人間が変われば味わいも変化する。機械化されても、その機械の管理が微妙に異なれば違ってしまう。例えマニュアル通りに作業をしたとしても、特に清掃といったメンテナンスに関わる丁寧度は変わってしまうだろうから。

 

以上は、酒という液体が空気に触れるコトによる味わいへの影響なのだが、瓶内での時間をかけた熟成もある。これは聞くところによると、醸造によって生成されたアルコールっていうのも、なかなか綺麗にエチルアルコールばかりではないらしい。微妙に出来損ないみたいな分子構造のアルコールも混ざっているのだそうだ。

そういう純度の低いものを蒸留するコトで純度が上がる・・・つまり蒸留酒の酔い方が醸造酒と異なるのは、そうした分子レベルの純度にも関係する、という話しを聞いたのは・・・随分と昔だ。越乃寒梅しか呑まない化学屋の、偏屈男だったなぁ。ま、偏屈男だったが、知識だけは豊富なヤツだったから、ソコソコの信憑性はあるんじゃなかろうか?

そして熟成のプロセスでは、タンク(樽)や瓶内でイロイロな反応が継続しているという。分子の手のナンチャラに、ナンチャラがくっついたりバラけたりして味わいがまろやかになっていくらしい。コレは薬学出身の蔵元から聞いた話だ。

だから、瓶内でも引き続き酒は生き続けているワケで、温度管理が大切になる。火入れした酒ならば、だいたい酵素は不活化しているので厳しい温度管理は求められないけれど、生酒は管理が悪ければ腐る。

一度抜栓した酒は、新しい空気が瓶内に侵入するから雑菌とまみれる。そうなるとナニが起こるかワカランので、低温に保管しつつもサクサクと呑んでしまう方が安全となる。これは食品の扱いと同じだ。

 

というワケで、どの様な酒についてワガハイが書こうとも結局のトコロ、抜栓直後からの香味変化が好ましい傾向の酒を好むコトになる。だいたい3日程度かけて味わいが豊かになっていく酒が楽しい。

酒の中には抜栓直後が最も状態がよく、後は落ちていくだけのモノもある。そういう酒は呑んでも楽しくない。だからそういう酒については書かなくなる。

安心のラベル

「杉錦」は、抜栓直後から案外イイ感じのパフォーマンスを発揮する酒が多い。そしてドンドンと上がっていく。だから一升瓶一本で毎日イイ感じで酒の成長を楽しめる感じだ。

それで今回購入した「菩提酛」なんだが、抜栓直後・・・なんか、期待した香味とチョット違うぞ?

ああ、杉井酒造さんもご子息が酒造りに関わるようになったと聞くし、少し造りに関する感性が変化してきたのかな?と思ったりした。だが、抜栓3日目にマイド!の香味になってきた。

つまり、この瓶の酒はいつも買っているヤツよりも若かった。

裏ラベル・・・製造年月に注目!

これ、2023BYだったんだねぇ。そして先月出荷だ。

ナルホド・・・でも、あまり熟成が進んでない方が「誉富士」という酒米の雰囲気がダイレクトに伝わるから、コレもまた面白い。スペック的に同じ酸度の山田錦と比べると、物腰が柔らかくなる「誉富士」だから・・・ワガハイの好みとしてはもう少しシャープな雰囲気があってもイイのだけれど。

静岡酒としては、それらしい香味と言えるかもしれないけれど。

洗練度の高い、室町酒というコトで、足利尊氏を思い浮かべて呑んだりして・・・というコトはないけどねぇ。