人間はいろいろなモノを作ってきたが、同時にいろいろなモノを破壊し、放置してきた。
創造は破壊ってな言い方もあるけど。
歴史遺産を見学すると、過去の文明の片鱗に触れられて興味深い。例えば崩れた石垣だったり、土器の破片、バラバラになった人骨や動物の骨、そして風化しつつある貝殻、廃墟の成れの果て・・・。
考古学的な標本を観るたびに、やがて今ある世界もこのようになるのだろう。そう感じ始めたのは中学生になったあたりだろうか。
大丈夫かねぇ?
厳しいだろうなぁ。せめて全世界の原発と、核兵器の後始末を終えてから人類は滅亡する責任があるだろう。多分、滅亡するなら無責任に放棄するとは思うが。その後に残された生物のコトなど配慮しないだろう。
だからこそ人類は存続し、滅亡しないという希望?を捨ててはならない。大人になってから気づいたコトは、「人間」を諦めるというコトは、すなわち神への最大の裏切りってなコトだ。
そして、それを実現するのは全て人による力技しかない。神頼み出来る範疇を越えてしまったのだから。
なかなか・・・面倒だ。
ひとり思い悩んでも解決しないから、悩みはしない。だが、世界はイザコザに満ちているから、そのようなニュースに触れるたびに疲労を感ずるだけだ。
そんなワケで???博物館っていうのは好きだ。歴史博物館であろうと科学博物館であろうと。
だが「博物学」って、いったいナニ?
その説明は専門的なサイトに譲るが、標本を前に妄想に浸るのが博物学ではないだろう。いろいろ考えるのは個人の勝手だ。しかし研究者の妄想を、肩書を利用して論文形式を採って学術に仕上げた・・・的な解釈(妄想)を広げ過ぎてもど~なんだろう?
まったく、歴史学者ってフィクションで説明するから。もっとも断片を繋がないとストーリーが出てこない(ボケても無理やりストーリーを繋いで理解しようとするからなぁ)。結局、論文といっても言語だけに、その文法で形作られなければ理解不能になるから。
現実は、ただ破片や断片が散在するだけなんだけど。
だが、もっとタチが悪い分野としては美術館だ。これもまた、本来は博物学の一端を担う筈だった。だが、日本の事情としてはバブル期に乱立し、テーマパーク化したものがあった。集客力では、アメリカ製ネズミキャラには歯が立たなかったけれど。
あの頃は非常識なことが日常茶飯事だった。金にモノ言わせて海外の文化財を買い漁り、突貫工事で出来上がった収蔵庫を埋めるためにあらゆるガラクタを収蔵した。
画商の美術館への売り込み方って凄かった。(収蔵庫が満杯になり始めたあたりから、画廊も潰れていったりしたけど・・・)
そりゃあ、美術作品とて博物学的には標本と同義であるから、ガラクタでもゴミでも集めて分類整理し、ラベルを打てばいい。岩石の標本整理と何ら手法は変わらん!
特にコンテンポラリー・アートに関しては片っ端から収蔵庫にぶち込んで、時代の断片を集めておけばいいのだ。あとは収蔵庫で熟成を重ねれば、何らかの意味が付加出来る。
それは、恥ずかしい結果を招くこともあるだろうが。以下リンク先「NHK 世界サブカルやー史 欲望の系譜」でも、安保世代の演劇や俳優の言葉など、まあまあ我が世代では赤面だったりするからねぇ。
それで、上リンク先の話になる。〈人気の陰で学芸員不足〉という見出しだ。
だが、その意はなんだろう?
バブル期には、某芸能人が学芸員資格を採ったとか採らなかったとか話題になったし、その資格はオサレなイメージだったように見受けられた。
いや~~~、実際はオサレだろうか?
実際の現場は、違うと思うケドねぇ。
あの頃程ではないにしても、学芸員資格は、相変わらず受講する学生はソレナリに居るらしい。まあ、教員資格よりは楽だという。とりあえずナニガシカの資格を持ちたい学生には都合がイイのかもしれない。そういう点からすれば、学芸員資格を有する人が不足している筈はない。
問題は、本気で美術館に勤務する気があるか?ってぇコトもあるけど。
そして美術館によっては、相変わらず新人採用は狭き門だとも聞く。そうしたコトからも、金沢21世紀美術館で学芸員不足というのはかなり、かなりの重症度。
その原因については上リンク先でさりげなく書かれているから、ここでは書かん。
まあ、そ~ゆ~コトですな。
退職の増加について財団は「学芸員それぞれのライフプランがあり、職務の性質上やむを得ない部分がある」(担当者)と説明(北國新聞 2023/8/22)
そんなの、学芸員に限らず、み~~んなそれぞれのライフプランがあって、職務の性質上やむを得ないんじゃね?コレって全く説明になってない。
と、ゆ~コトは、ホントウのコトは言えないんだわなぁ。
コレは、誤魔化してるな。
まあ、そ~ゆ~コトですな。
でも、そ~ゆ~コトって始まりから予想出来ていたコトだと、ワガハイ的には思うんだが?ソレが行政側は分からなかったのだろうか・・・というトコロが不思議。
まあねぇ・・・お堅い話に聞こえるだろうが、年寄的には「もっとしっかりと博物学ってナンじゃ?」ってなコトを、見直してもらいたいけれどね。そして施設の管理や運営についても、組織のトップはもっと丁寧に考えてほしいもんだ。
これもまた、時代遅れのボケ老人の戯言としか聞こえんだろうが。
本日の画像・・・神奈川県西部を流れる酒匂川の支流、「河内川」に建設中の新東名高速道路。バカでかい橋(バランスドアーチ橋)が作られている。撮影場所は「道の駅 山北」付近。2021年4月の様子は以下リンク先を参照されたし!