Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

案外昔の書物の方が便利?

サツマイモ(金時)

頂き物のサツマイモに芽が出てきた。そこで妻はプランターに埋めた。当然だが葉が増えてきた。もう少し伸びてきたら畑に挿すらしい。

長年、小さな畑をやってきたが、サツマイモはやったことがない。はたしてどうなるか?

上画像だが、一番左の葉の上に蟻が一匹いる。地中の芋が甘いからやってきたのだろうか?甘いサツマイモだったからねぇ。

 

金時芋といえば、「なると金時」という名前を思い出す。徳島県東部海岸沿いの土壌で作られるサツマイモだが、砂の混ざり具合が多めの土壌で育てられているはず。我が家の借りている畑も砂が多い土壌なので、上手く栽培できる可能性は高いのではないだろうか?

日当たりは絶好調だし。

 

なんか・・・先日、妻はネットでしきりにサツマイモの育て方を調べていた。スマホなんて無かった頃は、書棚にしまわれっ放しになっている園芸書と首っ引きだったのに。それで結構上手に育てられたりしていたのに。もう、その本の存在を忘れている。

「ン十年前と今で、サツマイモのナニガシカが変わったとでも言うのだろうか?」

そう、ワガハイ的には言いたくなる。新しい栽培方法が開発されたのだろうか?だが、当初の園芸書の通りにやれば、家庭の園芸ならば十分すぎる結果が得られるのではないだろうか?

そう考えると、案外昔の書物の方が便利だし、迷わないコトもある。

 

ワガハイが中学生の頃、油彩画っていうのを描いてみたいと思った。それでどこかの絵画教室に行ってみたいと思ったコトがある。それで親に相談したんだが却下された。「絵など描く暇があったら勉強しろ!」ってなワケだ。熟語のひとつ、英単語の一つも覚えた方が有益だ!ってなワケだ。

だが、暗記力を鍛え、知識ではなく情報量を脳味噌に詰め込むだけが脳力ではない。モノの見方や聞き方ってぇのをとレーニングするには、絵を描いたり、モノを作ったり、楽器を演奏してみたりするのは、やがて思考力に繋がっていくものだ。

まあ、なんでも金出して教室に通えばイイってもんではないけれど・・・で、我が親戚には一人、美術コレクターのオヤジがいたから、正月に会った時、そ奴に相談してみた。

「油彩画を描いてみたいんだけど、独学ではどの様にすればイイのか?」

すると後日、あれは彼岸の墓参りの時だったか、オヤジは一冊の古びた入門書をプレゼントしてくれた。「油絵の描き方」だったかな?そのまんまじゃね?ってなタイトルの本だった。

コレがその本です!って、ここで画像を出したいトコロなんだが・・・捨ててはいないし、古本屋でも引き取ってはくれないような本だから、どこか奥の院にしまってしまったワケで、すぐには取り出せない。

でもまあ、その本の内容っていうのは、技材に関しての記述に徹していた。ワガハイ、中学生だったからねぇ。その本によって染料と顔料の違いが分かったし、ジンクホワイトがど~ゆ~モノなのか、カドミウムレッドがど~ゆ~モノなのかも分かった。

なるほど!混ぜると化学反応を起こしてダメな組み合わせがあるのか・・・学校教材の透明水彩絵の具のような、安易な使い方は出来ないんだ!と理解した。

その本をくれたオヤジは、これまた古びた油絵セット一式も持ってきてくれて、それもワガハイにくれた。カチカチに固まった絵具チューブもあったけれど、それは尻側を切れば少しは使えるし、ペインティング・ナイフが一本と、ぺトロールは半分程残っていた。筆は全てカチカチになってしまっていたので使い物にはならなかったけれど。

 

それで後日、ワガハイは画材屋さんっていうヤツに始めて足を踏み入れてみた。そして丸筆を一本と、6号の張りキャンバスを買ってみた。(中学生のガキが、一人でやってきて店員にドレを買えばいいのか?って質問するワケだから、いいように絵画教室の勧誘を受けたけれどねぇ・・・断ってねぇ)それで自宅にて、ゴチョゴチョと絵にもならんモノを描くというか、泥遊びのようなコトをしてみた。

 

後日、「泥遊びのようなコト」から始まるっていうのは、油彩画のはじまりとしてはイイ感じらしい・・・というコトを、ベテランの画家から言われた。

 

なんか・・・ゴニョゴニョしていて、描き辛かったなぁ。きっと、このゴニョゴニョの中から絵が出来上がっていく・・・というか、これを攻略していくんだろうなぁ・・・と思った。そして恐ろしいコトにも気づいた。

「コレ、一枚の絵を描くには、かなりの量の絵具を使うぞ!」

それはとても、ワガハイの小遣いでは賄えそうになかった。こりゃあ、無理だ。

才能云々以前に、お金の問題で挫折した。

 

で、比較的最近、とはいっても簡単に十年以上前になるが、その「油絵の描き方」という本を、友人の絵描きに見せる機会があった。彼は東京芸大卒だからねぇ。すると、かなり出来の良い内容の本だという。コレだけ要領よく「技材」に関するコトが書かれている本はないらしい。

ホントウは、この本、復刻するといいのかなぁ?

見栄っ張りの嫌味なオヤジだったが、吟味してイイものを持っていたのかもしれない。そしてイイものをワガハイにくれたのかもしれない。

一応、この件は感謝しておくことにしよう。