Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

「特別純米酒 綿屋酵母」・・・抜栓4日目が特に美味だったねぇ

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特別純米酒「綿屋酵母

行く先々で酒販店を探し求め、良い酒販店のない街は自分の都合でよろしくないトコロとし、気に入った酒が置かれている酒販店がある街は、素晴らしい街だと高評価する・・・そういうコトをワガハイはやってない。だが、やっぱり旨酒が入手出来る街に関しては印象は良くなる。

ならば都内は、あらゆる名品が集まってくるから一番イイようにも思える。事実、ある酒蔵の特定名称酒を求めて、都内の強者酒販店に出かけたコトもあったのだが、その店が扱っていたものは大吟醸酒ばかりだった、というコトはアリアリだ。

案外、小規模な蔵の純米酒っていうのは、地元でもごく限られた店にしか置かれていない。都内の場合は特約店でも流通は極細である。

ま、どうやったって造りの量が少ないのだから、何処へ行こうと流通が極細なのは理に適ったコトだろう。「綿屋」という酒を醸す「金の井酒造株式会社」も、宮城県で丁寧な酒を造り続けている蔵だが、入手出来る場所は限られている。見つけたら買っておくようにしないと呑むコトが出来ない。呑みたい時にあると思うな「綿屋」ってな感じだ。

で、噂では「綿屋酵母」っていうのは聞いていたんだが、ようやく、遅ればせながら入手出来た。嬉しいねぇ~。

だが、ラベルに大きく「綿屋酵母」って書かれているのを見ると、ついに金の井酒造さんは自社酵母を売り出した・・・しかも太っ腹で一升瓶売りだ!と、一瞬だが勘違いしそうだ。

「ムフフ・・・これでワガハイも自家醸造に踏み切るか!」

ん、おかしい?日本では個人での酒の醸造は認められていない筈だよなぁ・・・なんで「酵母」を売っているんだ?

およそアホなコトながら、一瞬にしてこういうことがアタマを駆け巡るのである。

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綿屋酵母の説明

創業100年目に蔵付き酵母を分離したらしい。ということは、この酒を呑めば「綿屋」さんのお酒に共通する何らかのトーンを鑑賞することが出来るかもしれない。期待は高まり早速購入となった。この日は「丹沢山」買って熱燗で温い晩酌とする計画だったんだが、酒販店の冷蔵庫を眺めていて計画変更となった。

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さて、テースティングだが・・・抜栓直後は硬いねぇ。かなり硬い。ワガハイは一応、最初に抜栓した時は白磁の利き猪口を用いている。色や濁度も分かりやすいからねぇ。だが、この「綿屋」はかなり硬かったのでボルドーグラスに換えてみた。立香も殆どなく、味わいには米の雰囲気は感じられるのだが・・・で、あまりやりたくはないのだが、グラスをぶん回してみると幾らか香味が目覚めてきた。実に目覚めが遅い酒だ。

燗酒にもしてみたが、これはあまり熱燗には向きそうになかった。穏やかな暖かさのなかで楽しんだ方が良さそうだった。

ということで、このお酒の特徴は予想が付いてきたので、初日はあまり沢山呑まないようにして二日目に期待することにした。

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裏ラベル

裏ラベルのデータからすると、日本酒度でスッキリ辛口に仕上げるのではなく、高めの酸度でスッキリとキレの良い酒に仕上げるという方針みたいだ。抜栓翌日の味わいは、物腰の柔らかい「綿屋」さんのお酒に共通する呑み心地があらわれた。

以前にも書いたが、トヨニシキという米がどの様な米なのかは分からない。だが、山田錦のような大粒種ではなかろう。55%精米だと山田錦の45%精米と同等の米粒になるのだろうか?ハッキリとしたイメージは掴めないが小さな米粒を蒸して麹を育てる仕事は、おそらく大吟醸酒用の麹の作業のような管理になるのかもしれない。

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先日書いた上リンク先の「2021年度醸造 純米吟醸 無濾過生原酒 〈赤紫隆〉槽しぼり」も抜栓直後は硬かったが、この「綿屋酵母」も同じ以上に硬いなぁ・・・抜栓後三日目からが勝負だな。

そして四日目が美味いんだなぁ~コレが!柔らかく、フクヨカさもあって、キレもいい。呑み後に残る僅かな苦味のフェードアウトもイイ感じ。「特別純米酒 綿屋酵母」は、四合瓶で購入すると(四合瓶仕様もあると思うのだが)イイ感じを味わう前に酒が無くなってしまうので、一升瓶で買うのがお勧めだ。

 

一升瓶で買っても大丈夫!少し呑んでは冷蔵庫に保管し、少し呑んでは冷蔵庫・・・そうやって5日間位は変化を楽しめるから飽きるコトはないだろう。毎日2合消費で5日間なら、ちょうど一升瓶が空になるのだから、現実的な消費量だろう。家族で楽しめる環境ならば、一升瓶を購入しても全く問題ない。冷蔵庫の空き空間次第だがね。

なんか・・・酢飯に合いそうだったな。目刺しもヨカッタ。

あ、そうそう!綿屋酵母の特徴だが・・・なんとなく協会6号系を思わせる雰囲気もあったなぁ・・・ま、6号は戦後、全国の酒蔵を席巻した酵母だから、なんとなく影響があるのだろうなぁ・・・。他のラインナップだと協会701号とか使うから、その添加酵母の影響にマスキングされるんだろう。金の井酒造さんも、昔々は6号を用いた時もあったんじゃなかろうか?

何となく、洗練度を高くした懐かしい香味っていうイメージを感じた抜栓4日目は、そんな酒蔵の刻んだ歴史も反映しているのかもしれない。まあ、言われるコトだが6号酵母の影響って、なかなかあるらしいからねぇ・・・それだけ優秀な酵母で、当時の酒造技術や環境に適合していたんだろうな。

ま、ホントか外れかワカランが、ウダウダ感じながら楽しいお酒だった。

 

6号酵母の「北島」という酒もあったねぇ。

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