酒造好適米「玉栄」は、鳥取県や滋賀県で多く栽培されているという。Etsuro1的に最初にこの「玉栄」を使った日本酒を呑んだのは、かれこれ30年近く前のことになるが「日置桜(鳥取県)」の純米酒だ。味わいがあり、柔和で、クドさのない綺麗な飲み心地の酒だったな。あまりにも気に入ったので、出雲に出かけた際、蔵に立寄りましたな。鳥取県青谷町の山根酒造場でいろいろ説明を受けつつ、これからの日本酒の傾向といった話で盛り上がりましたな。ま、プンプン吟醸香が立ちまくるような酒はウケなくなるだろう・・・的な話と、やっぱり燗上がりする酒がいいねぇ・・・的な話だったな。
日置桜の蔵を訪ねる前日は三朝町の投入堂を拝観して、三朝温泉の「岩湯」という旅館に一泊した。いいお湯だったが、それ以上に料理が素晴らしかった。食後、女将、料理長さんたちと嬉しさ余ってバンザ~イ!状態という・・・旨かったなぁ。
で、本日の話題は「玉栄」の関係で冒頭は「日置桜」の話になったが、「北島」という酒のことをここに記しておこうと思ったんだな。忘れないようにね。
北島酒造株式会社は、滋賀県湖南市にある酒蔵だ。滋賀県というのは、なかなか改めて行く機会が少ないんだが、20年前になるだろうか?信楽にあるMIHO MUSEUMへ行ったな。美術館なんだから、展示作品のコトなど、或いは話題となった建築のコトなどに興味を示すのが普通なんだろうが、ワガハイ的にはレストランで食した「豆腐」、そして「紅茶」が素晴らしかったねぇ・・・なんでも「秀明自然農法」というコトをやっておるらしい。ま、優秀な香味を生み出しておる茶園での農法と良く似ていますな。
近江八幡では丁字麩を購入したことがあったな。たかがお麩と思うことなかれ!いいお麩ですぞ!そして忘れちゃいけないウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories 1880 - 1964)の存在ですな。※
あとは彦根、長浜を少しだけフラフラし、余呉湖で休憩して金沢へ行っちゃった・・・とか、滋賀県の記憶というのはそんな感じだ。山中に神社仏閣で凄いのがあることは聞いておるのだが、なかなか行く機会を得ませんな。
と、まあ、「北島」のことを書こうと思うと話は脱線していく・・・マイドのことだかね。
はじめて呑む「北島」に、酒屋から帰宅すると夕飯を待ちきれずに抜栓・・・利き猪口片手に香味を探りましたな。先ずは静かな印象・・・抑制された香味・・・そしてまだ硬い感触の酸。玉栄の酒の特徴も感じられるが、いったい何の酵母を使っておるのだろう?7号ではない・・・蔵独自の酵母だろうか?まさか「新政」か?
そしてぬる燗にしてみたり、やや熱燗にしてみたりと、いろいろやっているうちに裏ラベルの存在に気付いたんだな。そう、サッサと裏ラベル見りゃあいいんだよな。
で、酵母は「新政」でしたな。戦後の酒造を席巻した6号酵母ですよ。お久しぶりの6号さんでしたな。いいですねぇ~6号!王道の「近江産玉栄100%使用」、嬉しいことこの上ない酒造米ですな。
抜栓して30分もすれば、酒が少し開いてくる。すると綺麗な酸ですよ!これは実に端正な生モト純米酒ですな。それだけに料理との相性は少しシビアですな。オリーブオイルはアウト!ニンニクの香りとも合わん!もう完全に和食でガチにいきましょうな。我家の普通の食スタイルには合わない酒なんだが、たまには「北島」買って端正な和食を作るというのもいいもんだろうな。いやいや、イイ酒を見つけましたな。
朝の光はきれいだねぇ。そしてなかなかキレのある光質だったので、藤の発色に透明感がありますな。
藤のようなマメ科の植物には、良い香りを放つものがあるよね。強烈な例はスイートピーだな。でも、マメ科の植物には毒性もあるので気をつけましょうな。大豆も生では食べないよね(というか、生で食べてはいけないんです)。MIHO MUSEUMの美味なる豆腐の原料だとしても、大豆は火を入れて食べましょう!
※ウィリアム・メレル・ヴォーリズについて、当ブログの以下の記事もご覧くだされ!