Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

「2021年度醸造 〈白隆〉 純米吟醸 若水55 仕込8号 火入」

川西屋酒造店のお仕事・・・「隆 純米吟醸 若水55 仕込8号 火入」

当ブログではお馴染みの、神奈川県西部に位置する山北町で醸される「丹沢山」「丹澤山」「隆」は、川西屋酒造店のお仕事である。

前回の火入れ「若水酒米の品種名)」は、2020年度醸造の仕込23号のコトを書いた。以下リンク先を参照されたし!

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何度か「若水」については書いたのだが、ど~もピンとくる若水を用いた酒が少ない。その中でも・・・とは言っても、日本全国津々浦々の酒蔵を網羅出来るワケもなく、ポツポツと見つけては若水で醸された酒を呑んできたという、細々とした経験の話でしかないが・・・若水の使いこなしに長けた川西屋酒造店のお酒は、呑んでいて安心する1本だと思う。そして群馬泉の若水(以下リンク先参照)もまた美味かったなぁ・・・。

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結局、いまのところ若水でナンの心配も無く呑めるのは「丹沢山・隆」と「群馬泉(島岡酒造株式会社)」というのがワガハイ的な感想だ。どちらにも共通するタッチというのがあって、それは山田錦や美山錦とは異なった特徴だから、つまりそれが若水という米の個性ということになるだろう。

それはどの様な個性なのか?という点については呑んでみるコトをお勧めする。丹沢山か群馬泉のどちらかを呑まれれば見当がつくだろう、というのが早道である。

利酒師のレポートでは結局分からないからねぇ・・・甘い、だの辛いだの、フルーティーだのと言われても、それは嗜好の話であって・・・そんなのは裏ラベルのスペックを読めばだいたい見当は付く。利酒師のお仕事に求めるのは、日本酒の呑み方以上に品質チェックに関してもっと敏感になって欲しいし、その情報を提供して欲しいと思う。

ま、それが分かっていたとしても、営業妨害になるケースも出てくるだろうから職業的に出来ないという・・・忖度?身の保全?いやいや人情!というものもあるだろう(ノムリエのワガハイでも、露骨にはダメ出し出来ないからねぇ・・・ま、言葉の選び方で見当は付いてしまうとは思うケド)

未だにごく希だが、とんでもない品質の酒を醸している蔵って存在するからなぁ。ま、酒は嗜好品だから、呑んでお腹壊さなければ問題ないケド・・・いやいや、お腹壊してもその香味がスキならば自己責任ってなコトになるのだろうか?

 

まあ、とにかく「若水」という米から醸されるお酒の特徴というか、香味傾向を感覚的に覚えてしまえば、あとは裏ラベルの情報と組み合わせればいい。

裏ラベルだ

アルコール分から、加水か無加水かの見当もつくし、精米歩合が50~60%ならば、それほど立香が強くなるコトを心配する必要もなく、日本酒度が+5程度ならば、甘さが口に残るような心配もなく、かといって米の旨味でもあり、膨らみとも表現される要素も失うようなコトも無かろう、という数値。

酵母が協会701号ならば、落ち着いた香味が期待出来るから、どの様に転んでも派手ハデなお酒であろう筈がない。酸度1.5ならば、とりたてて目立ち際立つ酸ではなく、穏やかな中にもキレに加担する酸の度合いだろう・・・そんな感じで想像がつく。

そうして、酒販店で一升瓶を手に取って・・・裏ラベルを読みながら・・・既に晩酌の第一歩が始まっているのである。

空想、妄想、想像の中では、既に口中いっぱいにそのお酒の香味が広がってくるのである。その思いはしっかりと断ち切ってからクルマの運転をしないと、飲酒運転になりそうな位だ。

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上リンク先でも書いたように、このところ結露対策で瓶の周りに透明フィルムが巻かれて冷蔵棚に並べられている「隆」だ。その結果、ラベルとフィルムの間に結露水が入り込んで上画像の裏ラベルのような状態になる。でもまあ、ラベルがグシャグシャにならないので暫定的だが解決されてはいる。

でも、コスト的にはフィルム巻くのとラベルの材質を変更するのと、どっちがイイんだろうか?そして環境的にはどちらの方がイイんだろうか?その辺りは追々改良されていくんだろうなぁ。

和紙的な質感を残しつつも、強度や耐水性を高めている紙もあるし・・・それは先日の当ブログでの障子紙だってそうなってきたからねぇ。

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あ!ワガハイはホームセンターの在庫の中から障子紙を選んだが・・・ま、それってフツ~のコトだが、こういう購入方法もあったんだな。

障子紙の通販実績11,000件|カセン和紙工業オンラインショップ (kasen.biz)

山梨県市川大門にある会社が製造する障子紙だな。JR身延線の沿線地域のひとつだ。ここの障子紙を注文しなかったのは迂闊だった。張り替えてから気付いた。市川大門地域は、古くからの和紙生産地だったのだ。

ま、次回に忘れないようにリンク先を貼っておいた・・・つまり備忘録の代わりだ。

 

お~っとぉ!見事に話題は脱線した。元に戻す。

「隆 純米吟醸 若水55 仕込8号 火入」の話だ。

2022.5月が製造年月となっている。概ね初手の火入れ若水純米吟醸酒なんだろう。呑んでみると抜栓直後から物腰の柔らかさも伴って、実に快適に呑みやすいお酒である。「何ていうコトだろう!川西屋さんのお仕事で、初手からこんなに物腰が柔らかいなんて!」という感動が先ず訪れた。

おそらく、仕込8号は最も柔らかいタッチの香味だったんだろう。そしてだからこそ、夏前に出荷したんだろうなぁ・・・と想像しつつも、酒蔵に並ぶタンクの中には、もう少し物腰の硬い印象の若水も眠っているんだろうなぁ・・・それは秋上がりを狙っているんだろうか?と、仕込8号を呑みながら、他のタンクの香味まで妄想が広がってしまう。

落ち着いて目の前の仕込8号を堪能していればイイのにねぇ・・・とは思うが、こういう気になり方っていうのは楽しみだねぇ。

それで、この仕込8号は4日間かけて呑み終えたのだが、終始香味がダレることなく、物腰の柔らかさを維持しながら綺麗に開いていった。かなりの美酒だった。そして燗酒もイイんだが、ウルトラど燗酒ではなく、人肌燗程度か風呂の適温程度が好ましかったし、室温というのもイイもんであった。

純米吟醸酒で一升瓶だから、お値段は1本3000円台だったと思うが・・・内容的にはコストパフォーマンスの相当に高いお酒だったと、ニンマリしてしまうのだった。

栓のデザイン