行きつけのご近所スーパーマーケットの酒売り場に、最近並ぶようになったのが残草蓬莱である。
実は最近、そのスーパーマーケットで酒をあまり買っていないのである。酒はほぼ行きつけの酒販店で購入している。というのも、スーパーで買うのは行きつけの酒販店では購入出来ない酒を期待するのだから、まあだいたい呑んでしまった酒ばかりが棚に並ぶスーパーの品揃えに飽きてしまった、というワケだ。
それに、それらの酒の品質が悪いというワケではないのだが(ごく一部を除く)、酒販経由で入ってくるモノって、似たり寄ったりだし・・・それぞれの酒蔵でも無難なヤツが多いからねぇ。
スーパーマーケットの酒売り場に「シンカメ」が置かれていたら・・・ワガハイ的には腰抜かすだろうケドねぇ。
で、そのスーパーにて残草蓬莱はまだ買ってない。四合瓶しか並んでないしねぇ・・・どうせ買うなら呑める酒だし、一升瓶で買った方がイイのだから、ま、行きつけの酒販店で購入するわなぁ。
それでも残草蓬莱の売れ行きは気になるので、買いもしない酒売場を通ってレジに向う。すると着実に棚の残草蓬莱は減っていて、先日は残り1本となっていた。コレって物珍しさでのご購入もあると思うんだが、どの程度リピーターもしくは残草蓬莱のファンを掴んだんだろうか?
美味い酒だけに、売れて欲しいしあまり有名になりすぎて入手困難になるのも困るし・・・複雑な心境だ。
ま、棚をチラ見しているだけなんで、しっかりと確認はしていないが・・青いラベルだったから上リンク先で書いたヤツが置かれていたんだと思う。
上画像は、酒販店の冷蔵棚で見つけた「残草蓬莱 純米吟醸 Queeen」である。「槽場直詰生原酒 R3BY」とも書かれている。
Queeen・・・ってナニ?
クイ~~~ンって呑めちゃうってぇコトかいな?
ま、遊び心が現われたネーミングなんだろう。ワガハイも親父ギャグを連発して顰蹙をかうワケだから、Queeenがノリだったとしてもナ~ンの問題もない、どころか大歓迎である。だが、一応は言われは気になるので、
「なんでQueeenなんでしょうねぇ?」
と、レジで店主に聞いてみたんだが、
「なんででしょうねぇ?面白い名前つけましたねぇ」
と答えられて終わってしまった。
面白い名前・・・まソレでイイじゃないか!詮索したところで仕方ない。呑んでみれば分かるのかもしれないからねぇ・・・呑んだらQueeenなんだろう。決してQueenではないはずで、これは断じてスペルの間違いを指摘する話ではなかろう。
でも、 残草蓬莱の蔵元ってフレディ・マーキュリーの大ファンだったりして?あり得ない話ではないよなぁ・・・クイーン聴きながら仕込仕事していたんだろうか?ま、ワガハイはそれ程クイーンのファンではないんだケドねぇ。嫌いでもないケド。
それとも、トランプのクイーンが12だから?アルコール度12だからねぇ?
アルコール分12度というのは注目すべき低アルコール度である。普通は15度前後が多い日本酒である。12度と言ったら国産白ワインに多いアルコール度数だ。こりゃあ、ワイン的な感じで冷やして味わって欲しいという狙いだろうか?
で・・・低アルコールならば加水というコトが頭に浮かぶが生原酒と書かれている!ということは・・・残存糖度多めで日本酒度はマイナス、酸度は多めにして甘酸っぱい味わいに仕上げているって感じだろう。
ま、家で抜栓する前に裏ラベルの内容を読んでいて、先ずは妄想を広げる。
原材料名が米・米麹っていう表記も、アタリマエだろうが!とツッコみたくなる感じで、要は国産米とか、山田錦とか、そういうスペックも期待する部分なんだが、アタリマエ以上のコトを却下している。
注目度:127%ってナンだ!?
意味不明である。何故127%という数字なんだろう?この数字の謎は、蔵に尋ねてみなければ分からない。
で・・・抜栓してマイドの利き猪口に注ぐ・・・味わいはお米のジュースである!コレってマズかろう話はない!実にキッタネ~手口と言わざるを得ない香味である!醪の状態でテースティングしながら・・・「アルコール低いケド、まだ-値だけど・・・美味いから、コレ、なんとか商品にしちゃわない?」っていうような感じで出来ちゃった商品なんだろうか?
醪・・・美味いからねぇ。
たぶん、酸度は2を越えている2.2~2.5位はありそうだし、日本酒度的には-5?或いはそれ以上はあるだろう。酵母は確信は持てない・・・こういう甘酸っぱい状態では妙にフルーティーに感じてしまうからだ。決して立香が強いワケではないから7号系なのだろうか?9号系の感じではないだろうなぁ・・・。
ま、そんなスペックを想像してしまうというのは、この酒を楽しむには野暮なコトだろう。旨けりゃイイじゃない!呑めればイイじゃない!そういうコトなんだろう。
国産に限らず、欧州産白ワインにも、出来そうで出来ない領域の香味を持った「純米吟醸 残草蓬莱 Queeen」は、確かに注目されてしまうだろう。とてつもなく上手に出来上がったドブロク的なニュアンスも感じられるし・・・それは加水を前提とした醸造プロセスではないだろうし・・・案外、昔の多酸酒の洗練度を上げるとこんな感じになるのでは?という・・・杉井酒造の提案する香味世界とも共通するような世界を感じたりして。これは興味深い1本だったなぁ。
クイ~~~ンって呑めますぞ!危険ですぞ!