昨日は、唐辛子の辛み成分であるカプサイシンのコトなどを書いた。
そのコトを夕飯を食べながら妻と話しているうちに、子供の頃に祖母が話していたコトを思い出した。
「砂糖や塩、香辛料、そして薬味に用いられる食材に関して、それらをメインにするような扱い方は身体に良くない・・・」
そんな内容だった。中心になるべき食材を盛り立てるものが主役になるのは本末転倒、というコト。
おそらく祖母が存命ならば、この激辛ポテチの件については、そのような製品が売られているコト自体を批判しただろう。そして食した高校生も。明治の人は案外、ダメ出しがきつかった。
なんか、掟を叩きこまれるような言い方が多かったなぁ。
現在ではコンプライアンスやらハラスメントが問題になるから、明治時代の流儀は通用しないか・・・。
食べ物で遊ばない・・・きっと、明治の人だった祖母はそう言う。
飢餓も経験した人だから、食べ物の扱いは厳しかった。そして飢餓は直ぐにもやって来ると言っていた。油断すれば、日本も食うに困る日がやってくる・・・と。
お金があっても、ものが無ければ入手出来ない。
お金が通用しない。
そんな経験もあったと話していた。
結局、戦中戦後の混乱の実際は、聞いている以上の状況だったには違いない。想像を超えているのだろう。
「経験した人じゃなければ分からない!」
そのように言い放ったのは我が母だった。だが祖母はそれに対してこのように言った。
「それが分からないのはイイこと!子供の世代に経験させないようにすること!」
まことに正論だった。そして今のところ、この日本で飢餓は起きていない。
これからは・・・分からない。
とにかく有事になれば、島国は兵糧攻めに持ちこたえられるのだろうか?
地域にもよるだろうが、終戦直後、食べられる雑草はことごとく採集され尽くしたと、祖母は語っていた。野蒜なんて上等な野草は一つも見当たらなくなったらしい。そして暫く見かけなくなったという。
野蒜・・・絶滅の危機。
ワガハイ、野蒜は好物だからねぇ。子供の頃、野原で野蒜を見つけると採ってきた。そしてよく洗って味噌を付けて食べていた。
「また野蒜食べたの?」
と、母に言われた。ニオイでバレるからねぇ。
野蒜も成分が強そうだったから、沢山食べはしなかった。それはニンニクを大量に食べないコトと似ている。子供ながらも一気食いは危険じゃなかろうか?と思った。そういう味わいだし。
なんか・・・激辛に関しても野生的な勘というか・・・ヤバいって感じないかねぇ?
現代の食生活では、野生が遠のいてしまって分からなくなった?
でもまあ不幸中の幸いで、激辛ポテチを食べた高校生も大事には至らなかったみたいだから、勉強になっただろう。そしてカプサイシンの危険性が、世の中に少しは認知されたかもしれない。
刺激物はホドホドに!
でも・・・胡椒好きなワガハイ。
あ、さて・・・
国内のソムリエさんではなく、「海外ソムリエが認めた品質」という文字が目に飛び込んだ。例によって行きつけのスーパーマーケットの酒売り場の棚だ。そして上画像では破れてしまったけれど、「2年連続 星獲得 2021年 643 蔵中 第8位」と書かれてもいる。
こりゃ、気になるねぇ。非常に我が神経に引っかかる。極めて挑戦的ではないか!
四合瓶1本ご購入!
ま、「臥龍梅(がりゅうばい)」だ。こう言ってはナンだが、ワガハイ的には卒なく醸した酒、と思う酒がラインナップされた静岡酒の蔵だ。「三和酒造株式会社」というのはその名の通り、静岡市清水区の三つの酒蔵が合併して出来たらしい。これは地元出身者に聞いた話しだから間違いないだろう。勿論、合併した頃はまだ清水市だったと思う。いつのまにか、静岡市もいろいろ合併して大きくなったからねぇ。クルマで走っていると、何処までも静岡市ってな感じだから。
味わいは均質な印象。突出した特徴はない。そして滑らか。ラベル表記によればブレンドされているという。静岡酒らしく、酸が淡い。なんか・・・酸好きとしては腰が折れたような印象になる。
不快感はない。これは重要なコトで、静岡県の水事情からだろうか、仕込水に異臭があるのではないだろうか?という疑いを持つ酒蔵もあるから。
とにかく軽めに感ずる。精米55%の純米吟醸というコトで、フルーティーという程でもない淡さの含み香。冷やすと水的になってくる。
料理の合間に酒で舌を洗う感じの酒。
そんなワケで、料理の邪魔にはならない。あらゆる料理と合わせて問題が少ない。
コレをよし!とするか、つまらないとするか?
ワガハイ的にはちょっとつまらない。
でもまあ、ソムリエのテースティングならば評価点は採れるだろう。なにせ不快さが無いのだから。あとは呑み手の嗜好次第だ。
さて、この酒を呑んで海外の方々が日本酒好きになる・・・とすると、ナニか日本酒の香味の大切な要素が欠落しているような気がしてならない。
でも・・・日本酒が苦手な日本人にも門戸が開かれている香味っていうのは、こういう味わいなのかもしれない。これは苦手ではなく好物な人間には理解し辛いコトなのだ。
なんかちょっと・・・以前呑んだ、どこかの酒にも似たタッチだったけど。