行きつけのスーパーマーケットの精肉売り場にて、なんと「高座豚」が売られていた。ニセモノではないだろう。ホンモノだと思う。肉の状態も、デュロック種の特徴は無さそうだし・・・まあまあ、中ヨークシャー系っぽい肉質のような気がした。というコトで、ご購入!
食べてみれば、中ヨーク系の雰囲気漂う味わいと食感だった。
中ヨーク種というのは、名前に中と付くように大型の豚ではない。少し小振りの品種だ。実際にこの目で中ヨークの豚は見たコトはないけれど、いわゆる大ヨーク種やデュロック種、そしてその掛け合わせ種、バークシャー種(いわゆる黒豚)は見たコトがある。それらよりも少し小振りということなんだろう。
ま、見たコトがないのは当然。希少な品種となったから。
もっとも現在の中ヨークは、かつての中ヨークとは違う。それは肉質の違いからも明らかだ。昭和40年代の高座豚は、もっと肉質は締まっていたし、筋繊維が緻密だった。だから肉が硬いといえば硬かった。調理法をしくじると硬かった。だか、噛みしめると旨味は強く、肉汁がダラダラと流れ出るコトも無かった。
現在の高座豚は、戻し交配をしたか、或いは育種をしている業者によっては中ヨークの故郷であるイギリスから品種を入れたりした話しは伝えられている。だが、こうした品種というのも不変ではない。だんだんと変化していくのが生命体の運命だ。
だから、バークシャー種だって、つまり鹿児島黒豚だって、昭和40年代のソレとは別物と言ってしまえばそうだ。だいたい豚のカタチが違っているから。
では、昔と今ではどちらが美味なのか?と問われると、客観的な比較は出来ない。昭和40年代の肉を、全く鮮度を落とさずに現在まで保存してはいないだろうし、出来ないだろうから。
というコトで、かつての記憶が頼りとなる。だが、ワガハイとてそれは子供の頃の記憶だ。子供の頃の味覚と、現在の老人の味覚では一致しないだろう。ただ言えるコトは、昔と変わらない高座豚ではない、というコトだ。
とはいえ、神奈川県内で飼育される豚としては、やはり筆頭に挙げられるブランドである「高座豚」だ。堂々たる特徴を有した豚肉だと思う。ワガハイ的にはもう一つ、神奈川県内では清川村で生産される「清川恵水ポーク」が美味だと思う。そして藤沢市打戻の「みーとはうすカネコ」さんの豚肉も加えておきたい。
神奈川県内のアチコチで売られている「やまゆりポーク」は、生産者によってバラつきが大きすぎて、コレを一括りにして「やまゆりポーク」とブランド化しているのは・・・???
「やまゆりポーク」を購入する時は、店頭でじっくりと肉質を観察しなければならない。
ま、普通に野菜炒めに混ぜるとか、そのような用途で、尚且つ市販のタレを用いて味を濃く付けてしまえばナンの肉であろうとマスキングされてしまうとは思う。そういう料理法ならば、あまり肉質に留意する必要もないかもしれない。かえってデュロック種の特徴が強く出た、脂身、サシ多目でジュワジュワと肉汁が流れ出るモノの方が好適なのかもしれない。
要は、調理法次第だろう。
だが、ホントウは高座豚のブロックが欲しいけれど・・・。