Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

階級好きな九品仏・・・振り切った先の「生酛 純米 残照 北島酒造」

9月4日(月)、テレビをつけると、記憶のどこかに結び付きそうな寺院が映っていた。どこかの先生風の方と女性2人が境内を歩いて、小さな橋を渡った。そこには閻魔堂なるものがあった。

九品仏に違いない。

そして「今渡った橋が、三途の川・・・」といった解説が入り、感慨?の女性たち。

こういうリアクションも、果たしてどこまでがホントウなのかワカランし、サンズノカワと言われておののくような信仰っていうのも、現在の日本に残っているのかもワカランけど。

 

そもそも、何時、三途の川に橋が架かったのだろうか?ワガハイが子供の頃に聞かされたのは渡し舟だった。だから棺には六文銭を入れるワケで、コレがあの世への交通費ってなワケだ。で、六文が戦後の日本経済では幾らに当たるのかは知らんが、小銭を棺桶に入れているのは祖父母の葬儀でも見た。

で・・・ワガハイの子供の頃(昭和)の漁師町では、長寿を全うした女性の棺には、六文銭以上と思われる小銭が収められていた。そして火葬されると、その小銭は船乗りの大切なお守りとなった。こうしたコトは、現在でも行われているのか分からんが、とにかく1980年代後半の三陸海岸地域では行われていた。

 

ところで彼岸というのは日本独自の考え方ではなく、古代オリエントまで起源を遡れると聞いた。そうした古い三途の川を探し求めていくと、どうやら善人は橋を渡り、ソコソコの人は浅瀬を渡り、悪人は難所を渡るとされ、宗教的に正しく生きるために脅されていた・・・ワケだ。

区別したがる人間という動物の習性か?

「まあまあ、浅瀬ぐらいは渡れるだろう・・・という生き方はせよ!」と、老人に諭されたコトもあった。

だが、子供ながらに死んでも金から逃げられないのか?と思ったし、船で渡るならば、金持ちは一等船室、普通は二等船室ってなコトもあるのだろうか?などと思い、祖父を問い詰めて困らせたなぁ。

 

だが、9月4日のそのテレビ番組では、三途の川を渡るのは橋だった。

どこの建設会社が作った橋だろうねぇ?(凄い仕事をされる!)

それに三途の川辺に居るとされる奪衣婆(だつえば)っていう追い剥ぎババアが、ナンで閻魔堂の中にあるのか?それじゃ職務を全う出来ねぇんじゃね?

www.nhk.jp

ワガハイ的には突っ込みどころ満載の内容だったので、途中から見たのだが面白かった。

三途の川に加えて、賽銭入れると短い説教が始まる閻魔っていうのも、余計なコトをしているとは思うケド、今的にはウケるのだろうか?まあ・・・文字通りに「有り・難い・・・」コトバである。

おまけに上品・中品・下品という区分けまで登場する区別したがる人間という動物の習性?

更には上品の中に上生・中生・下生とランクがあり、以下同文というコトで3×3=9で、九品仏ってなコトらしい・・・階級が好きだねぇ。

kuhombutsu.jp

 

さて今日の一本は、毎度お馴染みの「北島」。だが、表ラベルには「北島」の文字は見当たらず、「純米 残照 ざんしょう」と書かれている。それは「北島」のラインとは少し違った考え方の酒だと示したいのだろうか?

無濾過火入れ

酵母無添加

近江玉栄100%使用

精米歩合 65%

アルコール分 15度

日本酒度 +9

酸度 2.2

製造年月 23.08

以上、スペックだけでも特別な酒だと分かる。そして冒頭の画像のような色合いの酒だ。BY2020というコトで、2年以上寝かせた酒である。

味わいは強烈な旨酒。濃醇。

冷や、室温、燗酒と、それぞれの温度帯で最強クラスの旨味を発揮する。そしてヤワな食材を駆逐する。端麗な酒を求める方々には、完全に否定される酒かもしれない。

酵母無添加の酒は「杉錦」の方が先駆者だろうが・・・どうだろうねぇ・・・「杉錦」の方が一般性はあるかな?食中酒としての使い勝手は圧倒的に「杉錦」の方が楽だ。

だが・・・この「残照」は、なんか振り切った先に位置する香味だ。確実に言えるコトは、コレを呑んだ後に呑める酒は見当たらない。

どうしようかねぇ・・・美味いんだけど。

困ったねぇ・・・旨いんだよ。

カッコいいけど、我が家にやってきたら困るランボルギーニみたいなモンかねぇ?

www.youtube.com

 

酵母無添加(蔵付酵母)の酒については、イロイロ書いているのだが、興味のある方は以下リンク先も参照されたし!

etsuro1.hatenablog.com

etsuro1.hatenablog.com

 

以下、追加画像(2023/09/08)

裏ラベル