Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

杉錦 山廃純米酒エドノハルザケ・・・パスチャライゼーションについて備忘録

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杉錦のにごりでございます

にごり酒というのは、AFでは撮影がし辛いもんですな。

これは静岡県藤枝市にある杉井酒造の醸す「杉錦 山廃純米酒エドノハルザケ」であるな。

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エドノハルザケ 白麹使用・酵母無添加・山廃純米酒 杉錦

これは、昨年秋に出された「エドノアキザケ 白麹使用・酵母無添加・生モト純米酒 杉錦」の春バージョンということらしい。秋を呑んだのだから春も呑まねばならない・・・というようなこともないんだが、やはり秋が興味深い提案だったので、春バージョンも買わないという選択肢はなかったな。

etsuro1.hatenablog.com

Etsuro1は緊急事態宣言の最中では県境を越えることを躊躇して、静岡酒から遠ざかることになってしまった。ま、一応宣言は解除されたので、ソ~ッと目的外のところは立寄らずに杉錦を買いに行ったのであった。

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裏ラベルだ

活性にごりではないので、吹き出す心配はない。アルコール度数はやや低めに調整されており、綺麗な酸が特徴であるな。江戸時代、蔵が立地する藤枝は東海道五十三次の宿場であったから、春の道中ではこのような傾向のにごり酒が楽しめたのだろうか・・・と、想像してしまう。

杯はとても進んでしまうタイプ・・・度数が低めということもあるが、口当たりが実に爽やかで柔和だ。このような酒を持って山桜の下へ行き、満開をやや過ぎた桜は春の日差しの中で春風に揺らぎ、時々吹く強めの風に花びらが舞う時、ちょっと上着の襟を立てつつ杯を享受する・・・というようなことをやってみたくなるなぁ・・・と、想像の世界に遊びながら、自宅のマイドのテーブルを前に、ジッとこの酒のラベルを眺めていましたな。これは昨晩の出来事であった。

酒の香味がど~た~こ~た~言うってのよりも、いろいろイメージが湧き上がってくる酒の方が、結局は自分にとって旨酒なんだわなぁ・・・と、思いますな。

 

さて、当ブログに記録し損ねた杉井酒造のもう一本がある。それは昨年末に売り出された新酒であるな。

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キモト純米中取り原酒 きんの介 初しぼり杉錦

上画像は、我が家の梅酒保管棚に並んでいる「きんの介」の一升瓶だ(この瓶の中身は既に梅酒である)。この「キモト純米中取り原酒」という表記通りの期待を裏切らない新酒だった。

ところで、杉井酒造は生酒を出荷しない方針なんだな。一回火入れが基本という考え方だと、杉井さんご本人からうかがったことがある。これは、日本酒の歴史を少し紐解いていくとナルホドと思えるあり方ですな。ここでは詳しくそのことを説明せんが、概略だけは以下に記すな。

 

パスチャライゼーション(英: pasteurization)

つまり低温殺菌法である。ワインの防腐目的に1866年ルイ・パスツールクロード・ベルナールが導入した技法であるな。日本では1560(永禄3)年頃、既に「火入れ」と言われる同様の低温殺菌法が行なわれていたという。前者は微生物学という科学から得た知見であり、後者は経験則から得られた知見ということだな。

ちなみに1560年って言ったら「桶狭間の戦い」だ。何てぇこった!そんな頃から「火入れ」ということをやっておったんだなぁ・・・もっとも、冷蔵庫の無い時代だ。保存っていったら天日干しか火に掛けるか、或いは塩漬けってぇヤツになるからなぁ・・・酒を天日干しには出来んし、塩漬けにするっていうのも無理だからな。

まあ、そんなことから「火入れ」という技法は日本酒醸造とセットになっていると考えれば、杉井酒造のポリシーもそのようなところなのではなかろ~か?

 

さて、本日はこれまで。

明日は杉錦の総集編かな?