昨日は「腰古井」について書いた。そして本日はもう一件立ち寄った「木戸泉」について書く。
木戸泉酒造はザっと見たトコロ、入口に看板らしきものが見当たらなかった。ただデカい杉玉がぶら下がっているだけだった。ただし、奥に聳える煙突に「木戸泉」と書かれていた。入口から入って右手は蔵元のお住まいなのだろうか?懐かしい様式の木造家屋があって、その反対左手に駐車スペースが設けられていた。
木造家屋に続いて事務所があり、その先に売店があった。売店には誰もいない。レジカウンターに呼び出しベルがあったので押してみた・・・が、反応がない。
商売っ気がないねぇ。
そこで売店を出て左手に、作業スペース?に入る扉が開かれていたので覗き込んでみた。
「こんにちわぁ~~~~」
反応がない。だが、奥の奥の方に事務机のようなものが見えた。そしてそこに一人の女性の姿を見つけた。もう一度呼びかけたところ気付いてくれた。
ま、こんな緩い感じもイイねぇ。
でもまあ、酒は買えたからイイんである。
棚に並べられたサンプル瓶を見つつ、大手通販サイトでは見かけなさそうな酒に絞り込み、選んだのは2種だった。
その一本目は「木戸泉 自然米山田錦 2020 R2BY 特別純米 無濾過 原酒」。裏ラベルに書かれている通り、埼玉県の自然農法家の手になる山田錦を全量用いた酒だった。
無濾過とくれば・・・生原酒と続くことが多い感じだが、コレは火入酒みたいだ。無濾過で熟成酒で原酒、そして火入。加水なしでアルコール18度。他のスペックは分からないが、日本酒度は極端に+ではないだろうし、酸度、アミノ酸度もまあまあ高めだと思われる味わいだった。
で、その味わいは・・・なんかキラキラした感じ!口中に輝きが拡がるような気分になる。ついに我が味蕾細胞は、網膜化したのだろうか?そんなバカなコトを思うのだった。味はしっかりとしているので、口に含む酒量は少量。チビチビ、ジワジワと呑むようになる。少量で満足感が得られるお酒。
∴ 酒量を抑えられるので減酒に向いている?
というか、当然だが強い個性の食の中でも高いトーンを発揮してくれる。そして益々、食欲を増進させる方向に作用しかねない。これは結果的に大食いになり、皮下脂肪の蓄積に繋がるか?
つまり、美味で食が楽しくなるお酒だ。
こりゃあ、もう少しご近所だったら、頻繁に買いに行くだろう。
傾向としてはワガハイが大好きな「杉錦 玉栄 山廃純米酒」とか・・・
「杉錦 菩提もと純米」であるとか、そうした傾向に似てはいる。だから当然ながら好みに合致する香味だ。
だが、特に「杉錦 菩提もと純米」に使われる酒米は、静岡県の誇る「誉富士」だけに物腰が柔らかくなる。それがまた好結果になる食とのマッチングもあるけれど、ホントウはあと少しキリッ!とした方が我家の食卓にはより合致する。
全体的に静岡県は甘い味付け傾向だと思うからねぇ。
そんなコトからも杉錦並みに入手可能な状況が、この「木戸泉」でもあるとイイのだが。
さて2本目!
これは・・・1本目を上回る感動があった。
遂に・・・ワガハイもオマチスト入りだろうか?
これ・・・雄町としては一番の感動の酒かもしれない。コレは好物リストに加えよう。
美味いなぁ~~~
とシミジミため息を漏らし、杯を重ねた。購入後、ワインセラーに入れてあったので、その温度帯のまま燗酒にするコトもなく、そのまま飲み終えた。
燗酒にするコトを忘れてしまった。たぶん、見事な燗上がりも期待出来ると思うけれど。
というワケで、我が環境では入手し辛い千葉県の日本酒蔵は、丹沢山系の中硬水で仕込まれた酒とは違った味わいに満ちていた。
ま、今度は通販利用かなぁ?
そうそう千葉までクルマを走らせてもいられないからねぇ。