Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

オマチスト?

熟成酒(古酒)があれば新酒もある。どちらもキチンと造られた酒ならば美酒だ。好き嫌いはともかく、やっぱり良い仕事は良いのだ。そして正しい。

正しいとか誤っているとか、それもまた時勢によって変わっていく価値観だと言われるかもしれないが、真っ当な仕事というのはある。それを誠実な仕事と言う人もいるだろう。真面目な仕事ともいうだろう。

やっぱねぇ・・・ふざけた仕事はダメだ。ナニゴトも制約があって、その中での最大限の頑張りとなるにしても、アタマ使って身体使い、神経の行き届いた仕事はいい。

丹澤山 純米酒 雄町70 無濾過生原酒 生酛 2023年度醸造

「うちはチームワークの酒造り」だと語っていた蔵元の醸す「丹澤山」は、当ブログでは頻繁に登場する。ワガハイ的には神奈川県の酒としてイチオシだから。

ではニオシ?は・・・残草蓬莱(大矢孝酒造)だ。相模灘も素晴らしいけれど、ここは大矢孝酒造をお勧めしたい。何故なら攻めてるねぇ!

というトコロでワガハイ的には神奈川県は終わり。嗜好的にも品質的にも信頼出来るし。

裏ラベル

さて、この雄町の無濾過生原酒は今月上旬に購入して呑んだ。一升瓶買いだ。じっくりと5日間程度かけて、味わいの変化を楽しみたいのが川西屋酒造店のお仕事だからねぇ。四合瓶ではそれが出来ない。

酒米もいろいろあって覚えきれないけれど、山田錦や雄町、五百万石、美山錦は酒を吞み始めた頃からのなじみ深い名称だけに忘れはしない。若水丹沢山を語るには欠かせない米だから忘れないけれど。そしてそれぞれの米による酒の特徴も、概ね分かったりする。ただ、言葉にするのが難しいけれど・・・呑めば分かる、見当が付くもんだ。

特に山田錦は分かりやすい。それだけある程度のクラス以上の酒になると、あらゆる蔵で用いられるだけに、いろいろ呑めば蔵の個性を引き算して山田錦の特徴を把握出来る。

ところが、雄町は山田錦に比べるも無く、アイテムが激減するから山田錦程には特徴を把握出来ない。だから確信を持って「雄町だな」と言うには???という酒もある。

ま、川西屋酒造店のお仕事に限定すれば・・・「やっぱ!雄町だよなぁ。お待ちど~さま」などとオヤジぶりを発揮出来るけど。

そんなワケで、この一本も安心の無濾過生原酒だった。そして例によって抜栓二日目からが本番勝負となる。特徴は一言!

「クリーンなイメージの生酛!」

コレに尽きる。ドバドバに味がノリまくっている重た目の生酛山廃系をご希望の貴殿には、期待が裏切られてしまうかもしれない。そういう酒ではない。それは以前も書いたと思うが、速醸酛という多くの酒に用いられる手法の酸とは違い、表情が豊かになる・・・あるいは酸にニュアンスが加わる、というコトを目的としたのではないだろうか?

呑み飽きしない酒、酸でキレる酒、というコトを語っていた昔の蔵元を思い出す。そういう酒を狙っているならば、当然ながら濃醇マッタリ酒にはならない。

まあ・・・この生酛の狙いは蔵元に話しを伺った訳でもないから、ワガハイの感じたコトに過ぎない。猛烈なご無沙汰だから、チョㇿッと訪ねてもいいかもしれないけれど・・・コロナ禍はホント、遠慮したからなぁ。もし、ワガハイが無症状感染者だったとして、それで蔵に行って感染を広げてしまったら・・・丹沢山の香味に影響が出てしまう、という怖さがあって近寄れなかった。それに味覚嗅覚に異常が出る後遺症になったら、酒造りは厳しいだろう。

いや~~~、その問題は未だに未解決だけど。そして相変わらず感染者は、ソコソコの人数だからねぇ。な~~んか、やっぱり躊躇するトコロはあるんだが、まあまあ、夏場ならば造りの季節でもないし・・・そのうち、チョット珍しいものでも入手したら訪ねてみよう。

そうしたら・・・こうした生酛の仕事についても伺ってみよう。

 

昨日は、木戸泉(千葉県)の蔵に立ち寄って酒を買ったコトを書いた。2本買った一本は雄町だったけれど・・・それはまあ、雄町という酒米から引き出される香味には思いもかけない広がりがありそうだと、ニンマリした。その件については後日書くと思う。

というワケで、ワガハイはオマチスト(雄町好きの人のこと)というワケではないけれど、ひょっとするとオマチストになってしまうのだろうか?