だいぶ以前に頂いたお菓子の名前が思い出せない。それは山口県のお菓子だったような気がするが、その記憶に自信がない。それは煎餅ではなかったと思う。最中とも違うような気がする。結局、ほとんど記憶が無くなってしまっている。
ただ、箱の下に小判を敷き詰められるようなお菓子になっていて、それが名物の理由だった筈だ。実際に悪代官への袖の下、賄賂に使われたお菓子なのかどうか知らんが、そういうストーリーが組まれていたお菓子だったと思う。
このテのお菓子では、静岡県の牧之原に「ワイロ最中」というのがあったと思う。小判型をした最中だったと思う。これは一度、何処かで食べた記憶はあるが、最中は最中である。包装を含めたワルノリを楽しみながら頂ける面白い菓子だが、最中は最中である。
菓子は主食ではない。楽しみのための食べ物だ。故に、彩を楽しみ、香りを楽しみ、季節を楽しみ、由来を楽しむ。そして香味を強調して楽しむこともある。例えばチョコレートをどの様に楽しむか・・・単なるチョコレートの塊ではなく、そこに何らかの造形を与える、食感を与える、よりナニガシカらしく演出する・・・それが菓子職人の技巧ってぇヤツだ。
だから、賄賂の為に小判を隠すのに適した菓子が作られても、それはあり得るコトだとは思う。
別に本物の金が仕込まれている必要もない。何らかの付加価値が与えられるモノならば、同じような意味合いが生ずる。高級なワインも、その様な用途に用いられる。なにせステータスの塊だ。
ワガハイのような者が、グランクリュなど開けて呑んでいようものなら、しかめっ面を向けて怒りだす輩もいるかもしれない。それ程、面倒で馬鹿らしい世界も相変わらず無いわけではない。
で、このワインはスーパーマーケットの酒売り場でも見かける日常的なワインだ。まあ、庶民的にはちょっとイイ感じの週末に開けるのに手頃な価格帯だろうか。
勿論、コルク栓が使われている。それを長いコト縦置きで商品棚に陳列状態。温度こそ空調が入っている店内のコトだけに、25度程度の室温下に置かれ続けている点はマシと言えばマシなのかもしれない。出来れば15度前後まで下げて欲しいけれど。
要は、仕入れて、棚に並べられて・・・何日が経過したか?である。もう、流通過程に関しては論外にしておこう。
ワガハイ、行きつけのスーパーマーケットの酒売り場で、他に買える酒が見当たらずに困窮すると、このワインを見つけて安堵する。とりあえず、この味わいは確保出来た!と。
そして難しいコトを言わないことにして、買ってきたその日に抜栓する場合もある。まあ・・・ソレなりの味わいではある。コンディション的にはイマイチだが、他のモノに比べれば安全圏の香味だろう。困った時のムートン・カデ・ルージュという一本である。
勿論、コレを購入して数か月間、自宅セラーで落ち着かせて抜栓すると、やっぱりイイ感じにはなってくる。荒れたようなささくれたような香味が、収まってきているように感じる。
今回抜栓したムートン・カデは、スーパーマーケットではなく、平塚(あと少しで厚木市)のアウトレット内にある「ENOTECA」で買った。以下リンク先で書いたその日に購入した。
セラー内での安定期間は10日間程に過ぎないが、ちょうど合致しそうな夕飯となったので抜栓!
予想通り、スーパーマーケットでの購入品よりも香味が安定していた。あそこの売り場は設定温度低めの空調になっていた感じがしたし、多くの人が訪れてガチャガチャ瓶を動かしている感じでもなさそうだった。そして同じ「ENOTECA」だと思うが、御殿場プレミアムアウトレットのソレに比べて店内も落ち着いていたし、ラインナップも幾らか面白げだった。
ワガハイ的には、誠に勝手ながら、繁盛もせず、撤退もしない程度の落ち着いた商売で続いてくれるなら、湘南平塚アウトレットの「ENOTECA」へは、時々立ち寄ろうと思う。このクオリティーならば、お値段2000円圏内では最強クラスの一本と言えると思う。
メルロー、カベルネ・フランのボルドースタイルにしては、やや派手さが加わって大衆受けしやすい感じだから、カベルネ・ソーヴィニョンもブレンドされているってなワケだ。その分、難しいトコロにハマらず様々な料理にも合わせやすい、楽なバランスかもしれない。
クーラーバッグに入れて持ち帰ったのも、ヨカッタんだろうなぁ。