Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする四捨五入して還暦男の、適当な言語の羅列記録・自称乱学者

スーパーマーケットの酒売り場・・・いづみ橋 恵 赤ラベル 純米原酒

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米原

わざわざ“純米”というカテゴリーが必要となるのは、日本酒の不思議な点である。それは本醸造というのがあるから、それと区分けする為のネーミングなんだろうが、“純”なんだねぇ・・・純粋の“純”だからなぁ。

ある酒造大手メーカーの「米だけで作った酒」という説明・・・あるいはキャッチコピーもあったと思うが、"だけ”というのは不正確だ。原料としてはもう少し使っているものがあるではないか。デンプンを分解しなくてはアルコール発酵が始まらないのだから、その分解酵素を持っている麹菌を使わなくてはならない。この麹菌だって、充分に原料の一つであるし、速醸モトならば添加乳酸だってある。さらに突っ込んでいくと、だんだんダーティーな領域に入っていくが、オリ下げ剤や清澄剤といった濾過剤なんていうのもあるし(古典的な濾過剤には柿渋が使われていたりするが)、そもそも瓶内にある大多数の物質は “水”だからなぁ・・・。

まあ・・・いろいろなモノが使われて旨い酒になるんだろうか?それはワカラン。単純にして明快なモノがイイと評価されるかどうか?こういうのって、利酒の範疇を超えてくるテイストの場合も多々あるように思うんですな。

これがワインの場合だと、わざわざ仕込みタンクに水を加える必要がない。葡萄の持っている水分を用いるからだ(まあ、米にはみずみずしいまでの水分は含まれてはいないからな)

通常の状態では発酵が始まらない穀物で酒を仕込むというのは、より高度で複雑な技術が必要になるわけだが、その分、人為的な問題・・・仕込みの環境が酒質に大きく関わってくることは言うまでもないだろうな。

 

「純米原酒 海老名産 山田錦と、斜めに目立つラベルが貼られた四合瓶を、行きつけのスーパーの棚に見つけた。そうなんである!泉橋酒造は、酒蔵周辺の田圃酒米を作っていることで話題になった蔵である。ワガハイも若かった頃、その田圃にお邪魔してそれぞれの品種の稲穂を観察させてもらった。無論、山田錦はとても大きな稲だったねぇ・・・(でも後日、もっと強烈な山田錦の姿を別の所で観察したけどね)

ま、他に魅力的な酒があったわけでも無かったので、この一本を購入してみた。

 

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いづみ橋 海老名産 山田錦

これは・・・華やかさのある酒ではない。山田錦を渋く仕上げた部類の香味だな。原酒にもいろいろなモノがあるが、この酒はやや重く感ずる。若干加水してみるが、なんとなく妙な重さが感じられる。ぬる燗では室温と大した差異はなく、熱燗ではダレる。キンキンに冷やした状態では、アルコール感が表面化する(これってアル添?と思う・・・先代の泉橋酒造の酒によくあった感触でもある)

テースティングするうちに杯が止まる。

流通過程でダメージを受けたのだろうか?火落ちといった臭いはない。ただ、微妙な違和感のある香りは存在するんだが言い当てられない。たぶん、居酒屋などでワイワイしながら呑んでいたら気付かないだろう。ということは、問題にするほどのコトではないのかもしれない。

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裏ラベルだねぇ・・・

まあ、棄てる程に酷い酒ではないので、数日掛けて呑んだ。そして数日間の間に何らかのイイ方向への香味変化があれば幸い・・・と思ったものの、それは叶わなかった。

「原酒」ではあろう、しかし「無濾過原酒」ではないのだろうから・・・この違和感は「上槽」or「濾過」に関わるナニゴトか・・・かもしれない。基本的に泉橋酒造のお酒は、良質にして万人に受け入れやすいと思われるモノが多いと思うので、この「いづみ橋 恵 赤ラベル米原酒」は、ちょっと例外かもしれない。

山田錦100%で仕込んでいるということで、山田錦の特徴はハッキリとしていただけに、ちょっと勿体ないなぁ・・・。