Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

「2021年度醸造 純米吟醸 亀の尾 隆 無濾過生原酒 槽しぼり」・・・ふぅ~~長いなぁ

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2021年度醸造 純米吟醸 亀の尾 隆 無濾過生原酒 槽しぼり

神奈川県山北町にある川西屋酒造店のお仕事、「2021年度醸造 純米吟醸 亀の尾 隆 無濾過生原酒 槽しぼり」だ!・・・ふぅ~、長いなぁ

以下リンクの通り、ワガハイも呑んできた「亀の尾」の最新作だ。

etsuro1.hatenablog.com

上リンク先は火入れの亀の尾、そして下のリンク先は、昨年の「亀の尾 無濾過生原酒」のコトを書いた。

etsuro1.hatenablog.com

今季の亀の尾はどうだったか、というと、造りにおいてナニがどの様に変わったのかは分からないが、昨年に比べて引き締まった印象がある。ひょっとすると、その一因は・・・昨年が4月末でのテースティングだったのに対して今回は2月、いくら冷蔵保管とはいえ、幾らかの熟成の差は出ているかもしれない。

酒の香味には様々なものがあるが、ナニにつけてもあまりに突出する要素っていうのは嫌味になりかねない。甘さが強ければ嫌われもし、辛口だけでは物足りないと言われたりする。そして雑味も全く無ければ味わいが引き立たず、香りも全く無くては特徴が掴み難い。

この亀の尾は、昨年に比べて僅かにエグ味がのるように感じた。だがそれはすぐに消え去るのでしつこさはない。それは料理で言うなら仕上げに振りかけた塩加減が良い塩梅になったような効き方をしているように思えた。その結果・・・杯は進んでしまう。決してお安い酒ではないんだが、ドンドン一升瓶が軽くなって行くのだ。

まあ、美味いんだから仕方ないんだが・・・この酒を大勢で開けたら、あっという間に空になってしまうだろう。ボ~ッとしていたら呑みそびれる酒だ。

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宮城黒澤米亀の尾

昨年の記憶と比べると、今季のモノは確実にバージョンアップされているように感じた。これはとにかく杯が進んでしまうというのが何よりの証拠だろう。

でも、昨年と今年でナニが違っているんだろう?

原料は米なのだから毎年微妙に出来は異なるのだから、蒸米の加減などは毎回微妙なさじ加減っていうのがある筈だ。こればかりは数値化するのも煩わしい程に微妙な問題のコトもあるだろう。もう、直感でコントロールしているかもしれないからねぇ。で、それが手造りの面白さでもあって、大工場の大量生産酒の均質な香味との違いかもしれない。

そうした直感力・・・言い換えれば感性の領域での違い、造りを重ねてきた経験値の違い、ってなコトに尽きるのだろうか?蔵元に尋ねてみたいもんだが、なんか答えは分かってしまうような気もする・・・「いつもの通りにしっかりと造っています」なんて言われてしまうかもしれない。

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裏ラベル

「亀の尾」で醸された酒に共通するのは、穏やかさのように感じているのだが、それは「山田錦」のようなガッチリとした味わいを基準としてしまうと、物腰が柔らかすぎて戸惑ってしまうコトもある。だが遂に、というか、川西屋酒造店の「亀の尾」は、物腰は柔らかいものの立体的な陰影を伴う香味を得た感がある。透明感のある酸(凄く綺麗)とともに僅かなエグ味がアクセントとなっていた。

問題点はただひとつ!杯が進むから財布には優しくない、というコトだけだ。仕方ない・・・充実した杯を重ねる時間への対価、とでも解釈してココロを収めることとしよう。

一度、呑む価値は大いにあるだろうなぁ・・・でも、一度で済むかなぁ?火入れバージョンも楽しみだ。