先日はお久し振りに「天狗舞」を呑んだ。スーパーマーケットの酒売り場に並ぶ石川県の日本酒というと、あと「菊姫」「加賀鳶」ぐらいというのが、神奈川県南部地域の実情だ。
能登の酒はまあ・・・ない。
この山廃仕込の純米酒に、狂喜乱舞していた時代もあった。やっぱり「天狗舞」だよなぁ・・・という声も聞かれた。昨今ではどうだろうか?勿論、堂々たる味わいの酒に違いない。そしてその香味も安定した品質で、いつ何処で買っても期待を裏切るコトがない。
だが、これは厳しい苦言となるが面白味は薄らいだ。まことに勝手な酒呑みの言い分だが。
とはいえ、スーパーマーケットに並ぶ酒だ。万人受けするとは言わないまでも、はじめて購入する人が喜ぶ間口の設計も重要。ここで嫌いになられたら終りだからねぇ。マニアックな方々はどうぞ、もっとハードルの高いラインを専門店でご購入下さい、というコトでイイんだろう。
「菊姫」は言うまでもない。これまた昭和の時代の「山廃純米 菊姫」とは全く異なる。昔のそれは、温度管理なんてモノともせずに熟成された老香の目立つ酒質だった。それがまたイイという熱烈なファンもいたので、それはソレなんだが。
で、昭和も終わり・・・日産セフィーロのテレビCMで、井上陽水さんの言葉が消されてしまったあの頃から、な~んか少しずつ変化が見られた。流石に温度管理した方が世の中的に流れかなぁ?と思ったのだろうか・・・その老香は徐々に減っていって今日に至っている。
結果的にはエライ美酒となった。
「加賀鳶」は・・・残念ながら我家の食卓では相性が悪く、そのパフォーマンスを発揮出来ないようなので出番がない。これはやはり、加賀料理独特の香味世界に育まれた個性があるからだろう。北陸の味付けと、神奈川県(というよりワガハイの香味感性は、宮城県出身の祖母に育まれたから)の香味世界では、ナニか違うよなぁ。
だが、こうした差異による相性が出るというのは大切な個性であって、尊重されるべきコト。「加賀鳶」は一度、金沢という本拠地の飲食店で味わってみたい。
ま・・・なかなか実現しないままに今日に至っているケド。
と、そんなコトを思いつつ、四合瓶の「天狗舞」を2日間で呑んだ。燗上がりはするが、熱燗耐性は高くない。だいたい風呂の湯加減よろしい程度が快適温度だったコトを、ココにメモっておこうと思う。
だが、ワガハイは温めの湯加減なんで、38~40℃程度という感じ。キンキンに冷やした状態というのは、熱燗以上に向かない酒だと思った。
我家は、酒一本開けるとあ~~でもない、こ~~でもないと、いろいろ試すからねぇ。
ところで、緊急地震速報である!今朝は寝坊する予定だったのが叩き起こされた。ようやく能登も地震が収まって来てヨカッタなぁ・・・と思っていたらまたも輪島市・珠洲市は震度5強。
今のところ大きな被害のニュースはないけれど・・・ニュースにならない個人レベルの被害はあるだろう。輪島の漆芸家の仕事場が、やっと片付けたのにまた漆が床に飛び散ってしまった・・・とか。
辛いねぇ・・・