Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

表情のある綺麗な酸・・・「丹澤山 純米酒 雄町70 生モト火入れ 2019年度醸造」

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丹澤山 生モト 火入れ 雄町 お待ちど~サマ!

行きつけ酒販店の店内中央にドカ~ンと陳列された「丹澤山」。ナニゴトか?という有様だったんだが、よ~く瓶を見てみると、昨年呑んで実に美味だった生モト雄町の火入れバージョンだった。店内で迷うことなく買うために、相当な覚悟を持ってやって来たのだが・・・「丹沢山 若水」の、つまり「吟造り丹沢山」の”ひやおろし”を買うつもりだったのである。だが、瞬間で意志は崩れた。

 

今回は、以下リンク先で書いたお酒の火入れバージョンっていうコトなんだな。

etsuro1.hatenablog.com

 

ああ、ワガハイの意志というのはこの程度であったか・・・初志貫徹出来ない意志の弱さ・・・それはとても否定的な見方をすればそういうコトになる。だがしかし・・・肯定的に考えてみるコトにしよう。それは柔軟性である。臨機応変というコトである。世の中、予期せぬコトが起るもんであるから、ハプニングに対応するためには柔軟な考え方というのが大切である。予定変更というのは常に起こり得ることだ。と、脳ミソをぐるりと回転させて予定変更した。

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2019年度醸造 生モト元年

上画像のラベルが傷んでいるのは、結露してヘロヘロになったのである。マイドお馴染みの結露に弱い丹沢山のラベルである。これ、ワガハイ的には欠点とは思えず、これ見ていると微笑んでしまいますな。

昨年7月に呑んだ生モト元年は、無濾過生原酒だった。ちなみにアルコール度数19度、日本酒度+8、酸度1.9だった。その時、若水の方に軍配を上げる・・・というワケではないんだが「特に、この”若水”は凄い!」と書いた。若水は酸度2.4だったからねぇ・・・酸好きとしては堪らないんですな。それに比べると雄町の方が穏やかで上品とも言えるんだが、やや輪郭がボケた感じがした。それはまあ、飲み比べてしまえばそういうコトになる、というワケだ。

その雄町が、あれから一年以上の熟成を経て、火入れでお目見えした。裏ラベルはこんな感じだ。

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結露ですなぁ・・・裏ラベル

僅かに加水されているんだろう。スペック的にアルコール度数が少し下がって16度、日本酒度も7.5、酸度1.7である。抜栓直後は香味が目覚めない。冷やから熱燗まで試みるんだが、今ひとつ香味が開いてくれない。美味なんだがもうちょっと出てくるだろう?と思う。振り回して空気酸化を促進させるというような、セッカチなコトをやる必要もない自宅呑みである。ノンビリと香味が開くまで、そのプロセスを楽しむコトにした。

だがしかし・・・初日は今ひとつパフォーマンスを発揮しきれなかったなぁ。

二日目は熱燗がイイ感じ。生モトや山廃酒に、例えば「天狗舞」のような色づいた酒色と熟成香を求めるとするならば、この酒は肩すかしに会うだろう。相当に綺麗系の生モト酒だな。ならば速醸モトでイイじゃないか?と思うかもしれないが、それだと酸の表情が違うのだ。やっぱり生モトや山廃の酸っていうのは表情があって面白い。日本酒の酸っていうのは、その由来は酒母ばかりではなく、並行複発酵の行程でも生ずるにしても、やっぱり酒母がナニなのかは大きな違いになるもんだな。

でも、最大のパフォーマンスを発揮したのは抜栓4日目であった。いや、ナカナカ緩やかに香味は変化するので飽きずに楽しめる。この酒を購入する秘訣は、四合瓶ではなく、一升瓶で購入することだな。この香味が緩やかに変化していくのを楽しむには、四合瓶ではチト量が足りないのではないか?

 

妻は畑で白菜を育てている・・・というか、荒れ地に白菜の苗を植えて放置している。さてさて、この冬は荒れ地栽培の白菜を食すことは出来るのだろうか?というのも、白菜漬けがイイ感じで出来るかどうかは、白菜の出来にかかっている。主材料がダメならど~にもならん(漬け込む時期・・・つまり温度も重要だが)。イイ感じで出来た白菜を漬け込むと、その漬け物の酸は透き通るように綺麗な酸味だ。それは添加した乳酸ではなく、白菜や我家の環境にある乳酸菌によるものの筈だ。

 

もの凄く上手に、理想的に出来た白菜漬けという成功体験があって、妻は毎年白菜を植えたり(大概は虫食いだらけで漬けるところもなくなる)、直売で購入したりして漬け物を作る。その、もの凄く旨かった白菜漬けの酸を思い出すんだなぁ・・・この雄町を呑んでいると。

丹沢山の酒蔵の隅で白菜漬け作ったら美味いのが出来るんだろうか?別に納豆作るワケじゃないから、醸造に影響はないだろう。まあ、仕込み最中は忙しくてそれどころじゃないのかな?でも、この酒に最高に合うだろうなぁ。

 

考えたら「丹沢山」も神奈川県山北町の蔵だ。このところ山北ネタが続いたな。