昭和30~40年代の生活様式を振り返ると、現在とは随分違っていた。
先ず、住宅環境が違う。その頃の新築住宅は木造モルタル2階建てが多かった。それは基礎が布基礎で、ベタ基礎なんてなかった。外壁はラス網っていったかなぁ・・・金網を張り、その上にモルタルを塗って、金タワシみたいなもので掻き取って表面を粗面にしていたような記憶がある。一応、外板が木板であるよりは耐火性が幾らかマシなんだろう。
でも、「木造モルタル2階建ての住宅▢棟、○○平米を全焼して・・・」みたいなニュースが頻繁に聞かれたケド。
インテリア・・・まだ床の間をしつらえる習慣はあった。水盤に花を生けて床に置き、背景には安物の軸など下げてねぇ・・・子供ながらに水墨画っていうのは、近づいて見ると沢山の点が集まって描かれているんだなぁ・・・と理解したもんだ(その点が印刷の網点だと言うコトを知るのは、ずっと大人になってからだった)。
ちょっと小金持ちの家になると応接間があって、木造モルタル2階建ての家屋なのに少し大正ロマン的なテイストが垣間見られたりして、壁には怪しげな油絵(名画だから複製だよねぇ)が飾られていたりした。
そうだ!一応安っぽい欄間彫刻なんかがあったり、銘木ならぬ迷木の床柱があったり・・・思い出すと薄っぺらい模造品に囲まれていたんだなぁ・・・そのくせ、真空管テレビは家具調で、実に格調高い意匠が施されていた。大きいテレビだと思っていたものでも、20インチだったりしたなぁ。
テレビは一家にとって高級品だったから、その大きさに合わせて刺繍までされた布が掛けられていた。まあ、黒電話にもカバーが掛けられていたからなぁ。
と、このテの思い出話は尽きないんだが、今の常識からすると・・・なんか野暮ったくて暑苦しくない?装飾過剰に思えない?モノを大切にするのはイイコトだが、何でもカバー作って覆ってしまうから、電気製品は放熱が抑えられてしまう。テレビがしばしば故障した一因って、あのカバーにもあるのかもしれない。
真空管だからねぇ・・・テレビ付けているとモワ~~~っとしたホコリっぽいような熱が部屋に籠ったよなぁ。
テレビの回路がトランジスターに替った時、最も感動したのは発熱量が少なかったことだ。全体の大きさも一回り以上小型になったしね。その分、テレビの貴重品扱いも少なくなった。我家にトランジスター回路のテレビが導入されたのは、ソニー製トリニトロン・カラーテレビ広角114°ブラウン管ってぇヤツだった。我家にとってはじめてのカラーテレビだったねぇ。
「おめ~ん家、トリニトロンにしたんだぁ・・・スゲ~なぁ。」
なんていう会話が、アホガキたちの間で交わされたなぁ。
テレビから真空管が無くなっていったお盆の頃、親戚が集結する習慣も薄れ始めていたケド・・・それって、たぶん風が吹けば桶屋が儲かる的なスジよりも、関連はあるかもしれない、と思っている。
ま、とにかく暑さ対策として、家電製品の効率が上がれば効果的なコトは間違いない。現在の生活環境では、冷蔵庫の放熱が一番室内温度を上昇させるだろう。調理による熱って一時的だけど、冷蔵庫は動きっぱなしだからねぇ。
というコトで、やれる暑さ対策としては家電製品のお手入れっていうのもアリだろうな。だが、それはまた別の機会にやるとして・・・本日の内容はコレだ!
襖や障子っていうのも少なくなった。雨戸も少ない。だが我家には一部屋だが和室6畳があって障子がある。この障子の張替えについては以前もブログに書いた。
先日、やっと障子の張替え続編を行ったのだ。
障子は硝子窓との間に空気層を作り出せるので断熱効果がある。直射日光が当たる障子は、その障子自体が発熱体になるようにも感じて、果たして断熱なのかどうか疑問もあるが・・・それでも部屋の中に直射日光が差し込むよりはマシだろう。
先日の張替えは、前回の障子よりもサイズが大きかったので手間がかかった。古い障子紙を剥がして桟を拭いて、ソレだけでは済まなくなってきたので前回同様にアサヒペンの白木漂白クリーナーを使い、その乾燥を待ってから新しい障子紙を張った。
結局、作業は午前9時に始めて終わったのは午後4時頃だった。勿論、昼飯時間と乾燥待ち時間を含んでいる。
疲れた。
乾燥させる必要があるから、梅雨時の作業は厳しい。だが、梅雨明けして厳しい暑さが続き、湿度も下がっていたので張替えをやった。タイミングとしてはヨカッタと思う。綺麗になると気分的に清々しいだけに、暑さも緩和されるような気がする。
ガラスの掃除もしたからねぇ。
ワガハイ的には雨戸と障子は日本の気候風土に適していると思っている。もう少し利用が高まってもイイんじゃね?台風の時に雨戸って、やっぱり安心感があるからねぇ(シャッターでもいいけど)。
まあ、障子や雨戸が廃っていくプロセスの中に、また、それらを否定するようなカタチで、ワガハイ世代は生まれ育ち、仕事を始めてきたんだけどね。