Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

北島 みずかがみ純米 直汲み無濾過生原酒・・・お米のジュース

当ブログは、別に酒のコトを書くために始めたワケではない。初心はボケ防止である。酒を呑むことはボケ防止になるのかワカランのだが、呑んだ酒のコトを書こうとすると、いろいろ思い出すことも出てくるし、また、飲んでいる時も「この香味をどういう風に言葉にしようか?」と心がけるので、漫然と呑むことが無くなった。やはり、いくらかの目的というのがあると、モノに向かい合う態度が変わってくるものなのかもしれない。

で・・・最近実にイイ酒だと感じて感銘しているのがこの蔵の酒だ。

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北島・・・滋賀県のお酒

「北島」については以前も一回だけ書いた。それは玉栄という酒米を使って醸された生モト純米酒だった。以下のリンクも参照されたし!

etsuro1.hatenablog.com

今回の「北島」は、生モトではない。しかしながら・・・綺麗な酸がフレッシュ感をより高めて楽しませてくれる「生酒」だ。

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ココロに突き刺さる「直汲み・・・」というコトバ!

「みずかがみ」とあるのは醸造に使用された米の名前で、滋賀県で作られている飯米だという。ワガハイはこの米を食したことがない。下馬評ではややパサつく傾向があると聞く。ということは、ササニシキが好物のワガハイ的にはイイ感じの米なのかもしれない。機会があったら通販で探して購入してみようと思う。

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裏ラベルだ

日本酒度は±0なので、キレが悪いだろうか・・・と思ってはならない。酸度が2.0ある。おおよそ想像するにほのかな甘さにしっかりとした酸がある・・・ライトな甘酸っぱさの酒、ということと見当がつく。使用酵母は堂々たる協会7号!昨日の当ブログで登場の「真澄」の蔵から分離培養された7号である。

7号には、発酵で生ずる泡を押さえた701号という酵母があり、現在では多くの酒蔵がその酵母を用いている。泡が生ずると後々のタンク洗浄などが、ちょっとこびりついて面倒なんだそうだ。少人数の蔵では、そうした手間が緩和されるのは有り難いことだろう。香味についても7号と701号ではさほどの差は無い、と言われる。まあ、そのあたりはワガハイも造りに参入しているワケではないのでナンとも言えない・・・が、同じである筈はないだろう。

泡無し酵母というのは、たぶん発酵が最も盛んな時の「高泡」というのが押さえられるのだろうか・・・でも、あの高泡サウンドってぇヤツは魅力的なんだがね。まさに醪が生き物だという生命感が躍動する感じなんだよなぁ・・・ま、そんなこと言っておると、「ならばお前が洗浄してくれるならいいよ!」って言われるだろうな。ワガハイが蔵仕事に入ったら足手纏いなだけだ。直ぐに足腰が痛くなってひっくり返るだろう・・・最悪、醪の中に落ちて大変なコトになりかねない(醪が大好きな虫といえばショウジョウバエ・・・これが醪に落ちると酒が苦くなるという・・・ワガハイが醪に落ちたら・・・苦いどころではないだろう)

ま、発酵が急激に立ち上がらないという変異株を分離培養したのが泡無し酵母なんだろう・・・ということは、たぶん若干、泡アリ酵母よりも発酵力は弱いんだろうな・・・と想像する。

 

さて、この「北島 みずかがみ純米 直汲み無濾過生原酒」は、新酒時季だけの限定品らしく、栓を開けるとポンというガスが抜ける音がする。とてもイイ感じに新酒を呑むオープニング・セレモニーだねぇ。あとはひたすら楽しい、嬉しい、心地よい、難しいことは一切無く、美味!ただただ新酒の楽しさを堪能出来る無上の喜びに浸れる。自宅でこんな快楽に浸れるとは!なんという幸いか!

酸度が高いことと、炭酸分が含まれることもあって、日本酒度の割にスッキリとやや辛めに感じる酒だ。そして糖分を食い切ってはいないからまさしく「お米のジュース」といった感じだ。しかも洗練度の高い「お米のジュース」だ。ああ、米って果実だったんだなぁ・・・と勘違いしそうだ。

 

ワガハイは今季、はじめて北島のこの酒を呑んだが、マイド楽しみにしているファンがおられるようだ。どうかワガハイもその末席に座らせてほしい。

 

予告・・・明日か明後日も「北島」について書くと思う。