神奈川県南足柄市にある「アサヒビール神奈川工場」にほど近い、南足柄市怒田というところに「朝日観音堂」がある。
もう、ナニが言いたいか分かるよねぇ・・・
アサヒビールだから朝日観音堂なのか、朝日観音堂だからアサヒビールなのか?
先ずはアサヒビールの社史を見てみると、「1889年11月 朝日麦酒株式会社の前身である大阪麦酒会社設立」である。そして「2002年5月 神奈川工場竣工」である。
一方、朝日観音堂については、とりあえずあまり詳細なことが分からない。現在の観音堂は江戸時代中期の建築らしい・・・これだけで、朝日観音堂の方が明らかに先であることがよく分かるな。ま、名前に関してはアサヒビールは大阪発祥だからねぇ、たまたまのことだろうが、アサヒビールがこの地に工場を建設するにあたって、ご近所にこの朝日観音堂があることに気付かない筈がない。きっと関係者は縁起が良いと思っただろう。
(アサヒだから朝日観音堂・・・なんて言いながら、自社ビール呑みながら盛り上がったのではなかろうか?イイ時代だったねぇ・・・今じゃ飛沫問題で盛り上がれませんな。)
ま、駄洒落が最たるモノだろうが、語呂合わせで物事が決まってしまうことは多々あるからねぇ・・・昨今の女性中傷問題においても元電通・・・ですか。昔々、電通に限らず広告代理店の方々は駄洒落が凄かったな。そこにコピーライターがおると、殆ど駄洒落だけで話が進んでいくというスタイルであって、ハッキリ言ってついて行けなかったことがあったねぇ。まあ、ノリっていうテンポも重要ですがな・・・妙な業界ではありましたな。
この文章を書いていても、文字変換がついて行けなくなってしまったようだ。「アサヒ観音堂」「朝日ビール」と変換してしまうようになったぞ!
あ、またもや話が脱線したな。もとに戻そう・・・
茅葺屋根が目立つし、そこに先ずは魅力を感ずるんだが、床下の土壇に特徴があるようだ。ま、そのあたりは素人目には指摘されないと気付かないことだ。
とても趣のある建物であり立地だと思うのだが、江戸時代ならば、こうした造りのお堂が彼方此方にあったのであろう。とりたててもの凄く造りの凝った建造物というわけでもなかったんだろう。つまり、かつての日常的な風景を形作る建物の様式とクオリティーということなのではなかろうか?
ということが、今となっては尚更、愛おしい程に大切なモノに思えてくるのだが・・・
照明が付いている。それは一応防犯上も必要なのかな?でも、なんとなく心許ない配線ですな。ま、何処かにある分電盤には漏電遮断機は付いているだろうが。
そう言えば、新型コロナウイルス感染再拡大の兆しを素早く察知して「サーキットブレーカー」を作動させる・・・みたいなコトを言われている方がおられたが、ワタシャ思うに「漏電遮断機」を例えに用いた方が良さげではなかろうか?
話は常に逸脱する危険をはらんでおる。もとに戻そう。
この観音堂は「四間(約7.2m)四方の木造茅葺き宝形(ほうぎょう)造り」、外廻りの縁に「擬宝珠高欄(ぎぼしこうらん)」ということで、とてもシンプルなスッキリとした姿であるので、これ、状態の良かった時はさぞかし美しいお堂であっただろう。現在は、ちょっと違った美しさになってきてしまっているなぁ。この姿は姿として、いろいろ湧き上がってくる感情というものはあるので、貴重なあり方ではあるんだが・・・
こりゃあ、修理するとなると結構おおごとになるかなぁ・・・
文化財保存は大変だな。でもねぇ・・・このまま崩壊していってしまうのは勿体ないなぁ。
明日も朝日観音堂だな。