Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

宝永大噴火が由来の高台について

昨日まで数回に分けて神奈川県西部の断層界隈のコトを書いてきた。一応、13年前の今日、東日本大震災を踏まえて。

あの時、我家は限りなく5弱に近い揺れだった。ただ、揺れている最中、揺れの加速度よりも振幅の長さと継続時間が長い点が恐ろしくなった。ゆら~~~っと横に移動して行く感覚・・・えっ?まだ動いていくの??ええっ?どこまで???

一階に居てそういう感覚だったから。

高層階に住まわれているような方々は、それはそれはとてつもない振幅を経験しただろう。

そして、あの当時はタワマンの怖さを語る人もいたし、津波被害を恐れて沿岸部から引っ越す人もいた。あるトコロでは海に近い家が空き家になり、小高い土地に引越した人もいたし、ある漁港界隈の不動産価格が暴落したりした。

 

ところが、そういう恐怖感も薄れ、結局都心が大きく揺れることもなく、浦安の液状化といった、都心の方々のリアリティに訴えるコトも比較すれば弱く、今回の能登半島地震についてはどうも、感覚的に薄い人たちが多いように感ずる神奈川県南部に生息するワガハイという動物である。

 

我が親族はその多くが東北出身であり、それは相馬であり、仙台であり、そして三陸である。ほんの僅かに銚子が含まれるけれど。

そんなコトから、遠縁は殆ど罹災した。そして津波による死者の列に加わった血縁は2名。その破壊されたお宅は、何度もテレビや新聞で報道されていたのだが、あまりにも破壊されていて、その建物だと気づけなかった。

だから能登半島地震で倒れた五島屋さんのビルが、あまりにもその地震の規模を分かり易く伝えられるが為に、何度も何度も繰り返して報道に用いられるコトに関して、あまりイイ感じはしない。

東日本大震災の報道では一時、我が親族の建物もその様に扱われたから。そしてそれは優しかったおじさん達の住まいであり、そこで絶命したのだから。

ただの田畑風景でございます?

さて、上画像は神奈川県足柄上郡開成町の一角である。昨日までウロウロしていた山北町とは、酒匂川を挟んで対岸に位置するとても面積の狭い町だ。たぶん、神奈川県内で最も面積の狭い町だと思う。

それでも小田急線の「開成」という駅はあるし、フジフイルムの先進研究所もあるし、文化財の筈だが完全に観光地化してしまってイベントだらけの「瀬戸屋敷」という古民家施設もある。

setoyashiki.ashigarigo.com

というトコロなんだが、その瀬戸屋敷とあじさい祭の会場から少しズレたトコロにある高台が、上画像の場所である。具体的には以下のグーグルマップのリンクを参照されたい。

maps.app.goo.gl

画面中央のチョットした高台のコトを書いている

この高台というか、酒匂川の何らかの堤防にも見えるが・・・霞堤にしては変な切れ方をしているし、謎の台地形状の土地だった。それでもう、数十年前になるがワガハイはこの件についてお話を伺う機会を得た。

しかも、瀬戸屋敷の元々のオーナーだった方から話を聞くコトが出来た。だから信憑性は高いと思う。

この高台だ(背景の山並みに、昨日まで書いていた断層帯があるんだけどねぇ)

1707年(宝永4年)に、富士山が大噴火した。宝永大噴火というヤツだ。そして膨大な量の火山灰が積もった。その火山灰を復興の為にかき集めた山が、この高台らしい。この土地を提供したのが名主だった瀬戸家というワケだ。この地域の復興の為に私財を投入し、その結果、瀬戸家の屋敷の復興に用いる材料の一部の質を落さざるを得なくなった、とも聞いた。

そういういわれの高台なのだ・・・が、そのコトについて書かれた説明板やら碑のようなものは、現場には見当たらない。

そして現在の瀬戸屋敷のサイトにも、やんわりとした古民家の由縁は書かれてはいるものの、シビアな歴史の記述は見当たらない。

三〇〇年というながいながい時間の流れに洗われた、
おだやかで、やわらかい空気があなたをお出迎えします。

ごあいさつ | あしがり郷 瀬戸屋敷 (ashigarigo.com)

という、〈おだやかで、やわらかい空気〉の背景は語られない。癒しの空間演出にとって、歴史記述は邪魔なのかもしれない。だが、この屋敷に秘められた苦難を記念してこその文化財だと思うのだが。

ま、瀬戸屋敷に行けば、そのような説明板のひとつも掲げられているのかもしれないが・・・ワガハイはオープンしたばかりの頃に行ったきりだ。現状はワカラン。

ま、町のサイト(以下リンク)では、幾らか説明が為されてはいる。

www.town.kaisei.kanagawa.jp

だが、ありきたりの解説に終わっている。

で・・・瀬戸屋敷って開成町指定文化財指定第1号」だという(以下リンク)

www.town.kaisei.kanagawa.jp

ナンかねぇ・・・というワケで、ザックリと検索したトコロでは、この高台がナンたるかの情報が見当たらないので、ワガハイがココに記しておこうと思う。

疑り深い方は、開成町文化財担当の方などに質問されたし。そしてこの高台に関する情報を強化されたし。

 

注:2024/03/11 13:30 数カ所の誤字脱字を修正した。