借りている我が家の狭小畑の道中にイチョウの大木がある。そしてこの時季になるとその実が大量に落ちている。好きな人にとってはタマラナイ、銀杏だ。そして銀杏拾いの常連さんが居て、妻もまた常連の一人だ。
な~んか、ニヤニヤ怪しい顔つきで畑から帰ってくる様子を見て、こりゃあ、銀杏に違いない?と分かってしまうが、と同時にあの臭いも持ち帰ってくるワケだ。妻曰く、畑用のゴム靴の底を使って大方の果肉部分は現場でそぎ落としてくるらしい。だからそんなに臭くはない!と主張する。
まあねぇ・・・現場でその臭いを嗅いでいれば嗅覚細胞も麻痺しているだろうから、粗方臭みは無くなっていると感じてしまうのだろう。ワガハイ的には突然やって来た悪臭だから、それはそれは強烈である。
そして・・・靴底に残っていた果肉からも臭いは発せられるし・・・で、マズイと思ったのかバケツに水を用意して、靴底など洗い始めたし・・・。
ワガハイの苦情をものともせず、ただで拾えた好物に満足げで、妻はナニを言ってもニタニタ、ヘラヘラしている。
でもまあ・・・上画像のように綺麗に果肉を剥がした。でも臭いけれど。
当人としては、綺麗にしたから問題ないと思ったのだろうが、ソレを部屋に持ち込んだ。
止めて欲しい。まだ臭いは強烈に残っているのだ。だが、ず~~っと扱ってきた者の鼻腔粘膜は麻痺しているから平和な顔をしている。ワガハイが文句を言い続けたことで、ようやく銀杏を入れた小箱は軒下に移された。
そうしてとりあえず、部屋の中から悪臭元を断つコトは出来た。
朝、窓を開けると、その窓外に銀杏の入った箱が置かれている。否応も無くその臭いを嗅ぐことになる。毎朝、その臭いで目が覚める。これもまた平和な一日の始まりなんだろうか?いや、特別イイことも無ければ、悪いことも起こらない一日であろう。平凡な一日の始まりに違いない。でも、そうあって欲しい。ただでさえ、腰痛から完全に開放されているワケではないのだから。これでまた、ナニガシカの負荷がワガハイの身上に起こるのであれば、とても対処出来るような気力は残っていないのだから。
まあ、ほぼ間違いなく猛暑の後遺症・・・秋バテだからなぁ。今回はかなりダメージをくらっている感じがする。
とにかく・・・余計なストレスは御免こうむりたい。
子供の頃、金星なのか木星なのかどっちかにしろ!と言いたくなったキンモクセイは、実家の片隅に植えられていて、その香りに両親は喜んでいた。ワガハイは子供の頃から強烈な臭いというのは無粋だと思っていたので、この植物の花が放つ臭いには閉口した。ハッキリ言って公害レベルである。
そしてそれは、現在でも変わらない。
まあ・・・このキンモクセイの臭いって、結構人気があるみたいだから、こ~ゆ~コトを書くと敵を作るかもしれない。だが、感受性は人それぞれだから、多数決で負けても、この臭いがダメなものは駄目なんである。
ああ、またこの地獄の臭いの季節が始まったか・・・と、辺りに漂う悪臭に、ワガハイはゲンナリしている昨今である。だいたい、ナンで街路樹にこ~ゆ~植物を植えるのだろうか?そして花柄が大量に路肩を埋めることになるこれから・・・放置しておくと排水を悪くしたりするので、暇を見つけてワガハイが掃除したりする。
また、拷問とも言える仕置きが待っているんだなぁ・・・と思ったりして。
だが、今年は想定外のコトが起きた・・・朝、窓を開ける。キンモクセイの臭いが鼻腔にまとわりつく・・・それに合わせて銀杏の臭いというレイヤーが加わった。
それらの臭いはブレンドされるコトなく、二つの刺激臭として不協和音状態で我が神経細胞に対して暴力をふるいだす。
かなり・・・最悪レベルである。
これなら、犬のウンチが放置されている方が相当にマシなレベルだ。
ホントウは・・・銀杏だけでも捨てたい。だが妻の好物。そしてワガハイも食べれば美味いとは思うから。
で、対策は・・・サッサと食べてしまうコトか?
だが、悩ましいコトに銀杏には毒性があるのだ。子供の頃には「2つまで!」と厳しく祖母から言われ、「食べ過ぎると嘔吐や下痢、めまいが起こるコトがある」とも言われた。そして「薬と思いなさい」と言われた。
ワガハイ、そんなの迷信ではないか?と思っていたが、根拠はあるらしい。銀杏にはビタミンB6を阻害する物質が含まれているらしい。そりゃあ、食べすぎはいかんな。で、ちょっと調べたんだが、メトキシピリドキシン(4-MPN)というヤツが、そのビタミンB6を阻害するらしい。
というワケで、薬味的に用いるのが銀杏の安全な使い方なんだろう。茶碗蒸しに銀杏がチョロッと入っているっていうのが粋なワケだ。
だから銀杏をサッサと食べるワケにもいかない。
かといって、完全密封すると・・・やっぱりカビるんだろうか?
とにかく、暫くは強烈な二つの臭いという余計なストレスに悩まされる日が続くというコトだ。