一般家庭では用いない機材なんだが、上画像はスライドトランスである。スライダックと呼ぶときもある。定格入力100Vで、出力可変範囲は0~130V、出力定格電流が1~200Aのトランス(変圧器)で、実にずしりと重い。質量は公称値5.6kg。
今になっては用いる機会も無くなり、ほぼお蔵入り状態の機材だが、冬になると使い始める。つまり電熱ヒーター(グラファイトヒーター)の温度調節に使う。
仕事部屋にはエアコンがある。それは日立の「白くまくん」で、巷の評判の通りにナカナカのパワフルさを発揮してくれる。だが、動作音がうるさい。特に室外機の音が
「ブ~~~~ン~~~~~・・・・・」
室内にも伝わってくる室外機の音。コレはリビングで使っているパナソニック製のエアコンでは有り得ない。ワガハイ的にはパナソニックのエアコンの方が好ましい。
通常はエアコンの暖房で充分である。でも、やっぱり微妙に熱源が欲しくなる時がある。そうした時に電熱ヒーターを使うのだが、パワー設定が450Wと900Wの二段階なのだ。450Wだとちょっと強いので、もう少し弱くしたい。そんな場合にスライドトランスの出番となる。
あらためて上画像を見ると、調整つまみが73V辺りになっている。コレだとヒーターが少し赤くなっているのが確認出来る程度なんだが、ジワジワと暖かさが伝わってきて、まるで温い風呂に長く浸かっていたような感じで身体が温まる。
こういう暖かさはエアコンでは有り得ないし、暑くしていないから熱源から離れても急激に身体が冷える感覚も少ない。そして電気代も幾らか節約になるだろう。
このところは寒さがキツイから、73Vのつまみ位置にしてあるが、その時の状態によって60~80Vで調整している。
なかなか便利なスライドトランスだが、問題はお値段だ。ワガハイが購入したときはこんなに高くなかったケド。銅の値段が高騰する前だったからかなぁ。近々の値段を調べると2倍ほど値上がりしている感じがする。
ところで、このスライドトランスを購入した頃は、ワガハイも元気だった。コレを2個購入して・・・っていうことは5.6kg×2=11.2kgを、秋葉原から手持ちで帰宅したってぇコトだ。実際には、梱包材の重量を考慮すれば12kg弱ってなトコロだろう。
スライドトランスは、そうそう出番のある機材ではないが、あると電圧の微調整が出来る。我家のコンセントの電圧はやや高めで、106V前後だ。それを100Vに合わせる必要がある場合は便利(そんなケースは稀だが)。もっともテスターの精度に、どの程度の信頼性があるかはともかくとして。
ただ、繋げる製品(負荷)によっては電圧を上げたり下げたりすると故障するコトがあるので、よく考えて使用しなければならない。そのようなワケで一般家庭に便利ですよ!と安易にオススメ出来ない機材だろうな。
だが、この温い電熱ヒーターの感触は、とても快適なのだ。メーカーの方々に提案、こういう微弱モードを製品に導入されてもよろしいのではないでしょ~か?
注:一応、電熱ヒーターの製品説明書には「交流100V以外では使用しない」と書かれている。「火災・感電の原因となります」とも書かれている。そしてそれは「交流200V・船舶の電源・直流電源など」とある。そりゃダメでしょう!
ヒーターによってはファンが内蔵されているモノもあるかもしれないが、モーターが使われていると電圧は下げない方がイイだろうな。自己責任で確認を怠らず(電圧設定がオーバーしていないよう)に使うべきスライドトランスだ。