Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

「The Book of Tea 茶の本」「東洋の理想」岡倉天心 著・・・芸大出身なのに読んでない?

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基・本

岡倉天心(1863~1913)は、明治期に起こった急速な日本の西洋的(風)な近代化を考える上で、とても重要な人物だ。それは美術とその周辺領域が中心ではあるにしても、かなり広範囲な文化や価値観の礎となる言葉と行動を示したと思うのだな。

昨日、「森嶋」の大吟醸酒のコトを書いたが、その蔵がある茨城県日立市よりもう少し北に行った茨城県五浦福島県との境に近い)は、岡倉天心の建てた「六角堂(現在は再建)」があり、現在では茨城県天心記念五浦美術館もある。横山大観とも関係あるからねぇ・・・で、昨日の森島酒造も「富士大観」という酒を出しているな。

つまり、昨日のブログの内容は、本日の内容の前フリでもあった・・・ワケだ。

 

さて、岡倉天心東京美術学校創設の立役者だということは有名だが、つまり現在の東京芸術大学である。ま、東京芸術大学美術学部の方だろうがね(ちなみに、東京音楽学校は伊沢 修二)。で、これから書くコトは美術学部の不思議、についてだ。

芸大の美術学部出身の、複数の知り合いは、在学中に茨城県の五浦詣でを行なったらしく、六角堂やらその周辺の海岸でスケッチなどしたりして物思いに耽ったらしい。それは学生時代のいい思い出となっているようだ。そして「天心チャン」なんて親しみを込めて言ったりしている。

ま、それはそれでいいんだが・・・問題は、岡倉天心という人物の功罪であるとか、人物像、モノの考え方、そもそもナニを明治期の日本にねじ込もうとしていたのか?ってなコトに関しては、全く興味がないようだった。ま、美術作品を作っていればそれでいいのかもしれない・・・が、美術だって表現。ならば継承したり論駁したりするコトはあるよねぇ・・・?

つまり・・・本読もう!

岡倉天心 著「The Book of Tea 茶の本」「東洋の理想」

この二冊ぐらいは目を通しておこうではないか?と思うんだが・・・

で、勿論読んでいる芸大出身者もいる。だが、年齢的にはワガハイより上の世代で、もう七十歳代以上の人達だ(物故作家だが、大物彫刻家はとうとう読まなかったがね・・・で、何故かワガハイが概略を解説する羽目になった)。四捨五入して還暦範疇の世代は、どうも読んでない感じが多いんだが?

ま、芸大に限らず、美術好きならば岡倉本は読んでおいて損はない。お勧めでございます!講談社学術文庫で出ているので、気軽に購入出来るからね。ハッキリ言って「雄町 純米大吟醸 森嶋」を購入するより簡単だ。しかも、二冊買ってもその「森嶋」の四合瓶一本と同じぐらいの値段だ(理想は森嶋呑みながら読むってぇヤツだ)

もっとハッキリ言っておいた方がイイかもしれない・・・別に美術好きでなくても岡倉本は読んでおいて損はない。茶の本」というタイトルだからといって、茶道に限った話ではないからねぇ。「東洋の理想」はともかく、「茶の本」なんて、高校生ならば読んでおいてもいいだろう。勉強出来るヤツなら英文の方で読んでみて、その後で和訳を読んでみれば二度美味しいし、別に和訳だけ読んだってイイ。全ての内容を咀嚼することは出来ないにしても、これは何度か読み返してみても興味深いですぞ!(年齢を重ねつつ、再読を重ねるコトに耐える本でしょうなぁ・・・)

 

ワガハイが感動した箇所を一箇所だけ下に引用したいところだが、ソレなりに長くなるので、止めておく。そもそもこれは文脈の中でこそ強烈に効いてくるコトなのだから。

茶の本」 第一章人間の碗 p.15 l.8 ~ p.16 l.3

上記箇所は、よくぞその時代にコレを言った!やっぱりアンタは偉い!と膝を叩きながら大ウケしましたな。ちょっと泣けるけどね。ま、そういう記述が幾つもあったな。

「東洋の理想」 足利時代 p.153 l.4 ~ 数行

ここなどは、スカッとした物言いにコチラも気分爽快である。

 

ま、該当箇所を引用しないから、これ読んでいてもチンプンカンプンだろう。まあ、とにかく「茶の本」は読んでみて下さいな。このご時世の中、ナカナカ意味深長に読めますぞぃ!