赤ワインはドライでなければならない。これは基本だ。長期熟成に耐えるためには残存糖度を減らしてタンニンが厚く、アルコール度数もソコソコ高めに造る。もろみ中のアルコール度数が上がってこないと、タンニンの溶出も進まないらしいし。
だが、長期熟成の旅に出るようなワインばかりが赤ワインの姿ではないだろう。気軽に楽しむならば、アメリカ系品種のコンコードやキャンベル・アーリーでも、口に合えばソレでいい。
というコトで、少し前にもコンコードのワインについて書いたけれど・・・
このイヅツワインも昔ほど、ベタベタのフルーツジュース感ではなくなったコンコードのワインだった。そしてこのアルプスワインの作である「無添加信州コンコード」も、香味バランスを熟慮したいい塩梅のワインだった。
詳しい内容については、以下リンク先のアルプスワインのサイトを見てちょ~だいな!
この価格ですよ!
ソレでこの品質ですよ!
ハッキリ言って輸入ワインのこの価格帯のモノの中には、不快な商品も沢山あるから。それらは輸送コストも加わっている価格だし。
とりあえず小難しいコトはさておき、不快感が無いどころか、快適に呑めるという点では圧倒的にこのアルプスワインのコンコードは、とんでもない一本だろう。この不快感という点で評価してしまえば、競合する価格帯の輸入ワインの相当数が、このコンコードのワインに負ける。
クドイが、この価格だ!
そして「酸化防止剤無添加」は伊達ではない。理由は良く分からないものの、ス~~~っと入っていく感じ。気のせいかもしれないけれど。
まあ「酸化防止剤無添加」ならば、ナンでも快適というワケではないが。
ナニとは言わんが、海外から果汁を輸入して・・・大規模なプラントで醸造して・・・紙パックなどして・・・ホームセンターでも大量に売られているワイン??もあるが、アレって「酸化防止剤無添加」というヤツもあるけれど・・・快適???とは・・・ねぇ?
だから無添加ならば良し!とも言い切れない。
最初に書いた通り、赤ワインはドライであるコト!が原則。だが、このワインの裏ラベルにはその縛りに囚われずに「中口」という表示がされている。これはフリースタイルと言えるかもしれない。オーガニックワインの中にも、そうしたフリー感が漂うものがあるが、このワインにも似たような自由さを感ずる。
そして中口という表示通り、若干の糖度を感じはする。だが、もたれるような香味にはならずにスムーズだ。香りは表示通りに華やかさがあるものの、「山田錦+協会9号酵母」の吟醸酒のような、鬱陶しさが伴うカプロン酸の香りプンプン!というようなワケではない。自然な範疇の華やかさだ。
この立香に関しては、このワインの方が派手な吟醸酒よりも圧倒的にセンスがイイし、食の邪魔にならない。
でも・・・ワガハイの知人のワイン通にはバカにされるだろうな。そしてこう言うだろう・・・
「ナニコレ?お土産品売場のワインじゃね~?」
確かにそういうラベルデザインだし、実際にそういう売られ方もしているけれど。だが、お土産品であろうと、キチンとしたモノは呑めるんである!
それに、ワインが苦手という人の大半は、その渋みにあるのでは?そんな方に無理やり「これが本物!」と言って、ボルドー・メドックのフルボディを勧めたところで、ワイン嫌いになるだけ。そうした赤ワイン苦手派の方にも、快適に赤ワインのポリフェノールを享受出来ますよ!という選択肢があってもイイ。
本格的なモノって、時にハードルが高いからねぇ。