8月25日夜の「緊急事態宣言対象地域追加」の決定等に関する官邸での菅首相の会見を、もう一度読み直してみた。以下に幾らか要約したものを示す。
1、自宅療養者への対策 初診の診療所、電話相談、感染した妊婦への対応、迅速な搬送、病院、都道府県と消防機関の情報共有と連携の強化を徹底。
2、病床確保 国から都道府県への病床確保と医療体制強化をお願い。
3、新薬による重症化防止 中和抗体の外来での使用(50代以上、基礎疾患のある方に集中使用)
子供たちへの感染対策の徹底 チェックリスト周知、基本的な感染対策の徹底、小中学校に約80万回分の検査キット配布、教職員のワクチン接種、濃厚接触者特定や休校判断の適切化ガイドラインを示す。
1兆4000億円の予備費使用決定 雇用助成金・緊急小口資金などの予算措置
デルタ株のまん延で感染抑制は容易ではないが、ワクチン接種はデルタ株にも明らかな効果があり、新たな治療薬で広く重症化をい防ぐことも可能。明かりははっきりと見え始めている。
9月12日の宣言期限は、ワクチン接種状況、重症者数、病床利用率などを分析して判断。ワクチン接種証明書の活用法、飲食店利用、旅行、イベントなど日常生活や社会経済活動の回復も検討する。2021年8月26日 東京新聞 Web
さて、〈緊急的な医療対策を速やかに進める〉というが、現況はどんな感じなんだろうか?ただ、読み返して気付くコトはある・・・ワクチン接種がデルタ株にも有効であるというのは専門家の言葉でもあるし、それが従来株に比べて幾らか割り引かなければならない効果だったとしても、首相発言は間違ってはいないだろう。そして〈明らかな効果〉という主観的な表現は、発言者が主観的な人だろうから、それがどの程度から明らかであり、また明らかでは無いのか、というしきい値を質問するのは野暮なんであろう。そういう感覚においての〈明かりははっきりと見え始めている〉発言なんだな。
明らか・・・明かり・・・
ナルホド、漢字で一字だが一致しておる!そういう感じなんだな。
先日、あまりにもご無沙汰になってしまったから、隣の静岡県に住む友人に電話したところ、
「なんか実感ないんだよなぁ、周りで感染したっていう話も聞かないし・・・」
ありがちな意見ですな。ワガハイも幸いなコトに、身近な人で感染したという話は聞かない。だが、時々伝え聞く程度には話を聞くようになった。近隣の店などでもクラスターやらナニヤラで、一時的に閉めているのではなかろうか?という状況や、救急車の様子やら(一瞬だが防護服姿が見えたり)、発表される感染者数だけではない実感というのが伴っているのが神奈川県南部地域に住む者の実感である・・・そう友人に話した。
ワクチン接種の機会が得られることは、確かに一筋の希望の光ではあるかもしれない。でもそれは絶対ではないので、岩場に設けられた鎖場の鎖よりも確度は下がる、不慣れなワガハイが確保したハーケンとザイル程度の信頼性かもしれない・・・いや、ソレよりも相当に信頼性はあるか・・・失礼!
少なくとも暗闇を闇雲に進んでいるとは思わないが、相手がウイルスというのは、人間という動物の習性が相手である、ということにほぼ一致する問題だろう。人間辛抱が苦手である。我慢の限界はすぐにやってくる。緊急事態宣言に慣れてしまって効果が無いなら、それを解除する必要も無く、そのまま続行というコトにしておけばいい。どのみちあと数年は気を緩めるコトなど出来ないんだろうし、果たして十年後も以前のような公衆衛生なんざナ~んも考えず、手も洗わずにファストフードをパクついていた生活に戻れる保証はないのだから。
8月31日、五輪・パラ組織委員会が発表した未使用医療物資の産廃問題。
サージカルガウン200着 サージカルマスクやN95マスクがそれぞれ1000枚以上
リネン製タオルは数えきれず 点滴針もあった
文春オンライン「週刊文春2021年9月9日号」から要約
勿体ない精神は何処へやら?資源の少ない日本と教えられた我が幼少期、明治大正生れの親戚のオヤジたちに「資源がないから戦争に負けた」と散々語られた正月の宴席・・・そうした思いをもっている人なら、医療物資を捨てるなんてコトは出来なかっただろう。物の不足に苦労して、いろいろ工夫して生きながらえてきた世代というのも、つい最近までは心臓が動いていたんだが・・・世代っていうのは一気に変わるもんだからなぁ。
なんかねぇ・・・麻生太郎さんも80歳だろう。まあ、裕福な育ちとしてもその時代の幾らか空気を吸って育ってきたんだろう。ということで、改めて麻生さんのHPなんぞを昨日、見てみたんだが・・・写真は年齢詐称状態且つ(喝!)印象詐称である!これはなかなか腕のイイ写真館の仕事であろうか?やっぱり好印象でありたいんだなぁ・・・と思いましたな。古き良き時代なのか、古き悪き時代なのかワカランが、そういう時代の政治家(ご親族の歴々の遺影でも乗り移らせようとしているのか?)像を意識されておるのかもしれない。
テレビで拝見するお姿はマフィアチックで、結構な芸能人よりも上手だな。男臭い、っていうイメージを出そうと努力されておるのかもしれない。時代錯誤であろうとも。
9月7日の閣議後の記者会見で、麻生太郎副総理兼財務相は「コロナはまがりなりにも収束して国際社会の中の評価は極めて高い。そういった意味では「まっとうした」という思いが(菅首相に)あったことは確かだ。私はそこの部分が(不出馬表明の理由として)一番大きかったんじゃないのかなと思っている」と述べた。その上で「それなりに尊重すべき判断だった」と語った。
9月7日12:59配信 毎日新聞
こういう言い方で聞かせるからねぇ・・・インパクトあるけど怪しい読解になりやすい。昔からこんな感じの記者会見だったかな?記者が( )書きで補足してくれると分かりやすくなるんだが、麻生さんに好意的に読めば、殆ど菅首相を小馬鹿にしている感じ、つまりこうなる・・・
コロナはまがりなりにも収束し・・・たという思いが(菅首相に)あったことは確かだ。
国際社会の中の評価は極めて高い・・・という思いが(菅首相に)あったことは確かだ。
以上2点をまっとうしたという思いが、菅首相にあったことは確かだ。だからまっとうしたというんだから不出馬表明なんだよ!彼なりにやりきったという思いがあるんだから、それなりに尊重すべき判断だったワケだ・・・ってな意味でしょうな。
(政治家の進退は自分で決めるコトらしいからなぁ・・・)それは、そう本人が思っているならそういう現実なんだよ!オレは知らねぇけど・・・だって、人のアタマの中なんて分かんねぇだろ?ってな感じかな。どうやらアミロイドβの蓄積量は、菅首相の方が心配かもしれない。
2日夜、菅義偉首相は、自民党役員人事の一任を取り付けるため、麻生太郎副総理兼財務相と接触した。
同じ神奈川県選出で信頼する麻生派の河野太郎行政改革担当相を要職に起用できないか‐。だが、麻生氏は声を荒げた。
「おまえと一緒に、河野の将来まで沈めるわけにいかねえだろ」
首相は説得を試みたが、麻生氏は最後まで首を縦に振らなかった。9月4日8:28配信 西日本新聞より要約
チャンと親方として子分の将来を案じているというコトだねぇ。それ、もう少し・・・というか、かなり拡張してもらえないだろうか?
「政府と一緒に、日本国民の将来まで沈めるわけにいかねえだろ」!
まあ・・・いい味?っていうか、なんというか・・・前時代的政治家の生き残りなのかもしれない(ワガハイはなぜか勝 新太郎さんを思い出す)。きっと永田町は動態保存の博物館なのかもしれない。
博物館だったなら・・・興味深い、という位置付けで済むんだけどねぇ。まあ、博物館的だとすると、その政策も・・・動態保存?