Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

神奈川県の酒を呑んでみるかな・・・その12

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大山阿夫利神社のお膝元の蔵だな

〈大山は、別名「あめふり山」とも呼ばれ広く親しまれてきました。このあめふりの名は、常に雲や霧が山上に生じ、雨を降らすことから起こったと云われ、古来より雨乞い信仰の中心地としても広く親しまれて参りました。〉と、大山阿夫利神社のHPに解説がされている。

関東平野、特に首都圏からぐるりと風景を見渡すと、筑波山が見えるように、丹沢山塊では大山が目立つことになる・・・とはいっても、現在の都市化された街並みから遠望は得にくいので、こうした実感は少ないだろうな。

大昔の、田畑が広がる風景を想像して、天気の良い日に関東平野を縁どる山々が遠望できる状態も想像してみる・・・勿論富士山も見える・・・そうすると、やはり目立ちそうな山々が、何らかの信仰に関わっているように思うんだな。

日照り続きの時、雨乞い対象の山として大山が選ばれたというのは、感覚的に了解出来そうな気がするのだが・・・詳しくは書かないが、大山講であるとか、ま、いろいろある・・・そして大山道というものが縦横にあり、その一つは概ね現在の国道246号だったりするな。また、小田急線の参宮橋駅近くに、大山道の起点のような石碑があったような記憶があるのだが・・・これは単なる記憶なので不正確かもしれないがね。

 

というような歴史や人々の生活・風習・信仰に関わる地で造られている”菊勇”の蔵、吉川醸造株式会社は、神奈川県伊勢原市神戸に位置する。”相模大山 純米酒”を入手出来たので、呑んでみた。この酒は、丹沢周辺に位置する多くの蔵が醸す酒とは少し性質が異なっているように思うんだな。圧倒的に物腰が柔らかい・・・女酒という言い方があるが、軟水で仕込まれた酒のような感じがするんだが・・・仕込み水の硬度をあまり感じないように思うんだなぁ・・・抜栓した直後は美しく柔らかい酸が特徴的で、チャーミングと言ってもいいかもしれないな。しかし、その後の香味変化は速い。つまりどんどん開いていくんだな。それでも快適に呑むことは出来るが、四合瓶で購入しておいた方がいいかもしれない。開栓後は出来るだけ早めに呑んでしまった方がいいかもしれない。翌日、翌々日まで室温保管すると・・・ひょっとすると香味バランスが崩れるかもしれないな。

呑みながら、これもまた昔の話しになるんだが、1990年代前半の、新潟県中越地域の何本かの酒を思い出したな。開けたてのバランスは端麗な中にも綺麗な酸を感ずる好印象なのだが、翌日は全くその影もなくなってしまったんだなぁ・・・この”相模大山”は、そうした新潟酒を思い起こさせるんだな。比較的最近でも、長岡市界隈の酒で、似た傾向の酒を呑んだ記憶がある(長岡の人にプレゼントされたんだけどね)。ある意味、新潟を思わせる酒が、伊勢原で造られているということなのかもしれない・・・それはまた、とても面白いことだな。冬になると杜氏、蔵人の方々が、雪国から神奈川に来られて酒を醸す・・・それぞれの出身地の感性を蔵に持ち込む・・・そしてそういうバランスの蔵環境が出来上がっていく・・・そうした残り香のようなものは、しばらくは続いていくものだろうからな。

”相模大山 純米酒”・・・僅かに由来不明の木質系の含み香があるように思うんだが、決して不快なものではない・・・桐材を切断した際に出るような香りが、僅かに感じられたような気がした。

入手出来たら、ここの吟醸酒を呑んでみようと思うな。ま、大吟醸もいいかもしれない。なんか、感覚的に引っかかるものがあるんだなぁ・・・しばらく、時々気にして買ってみようと思っているんだが、Etsuro1の居場所からは、ちょっと入手し辛い酒なんだな。

 

さて、一応これで神奈川県にある13の蔵の酒を、一通り呑んだことになった。家呑みで、ちょっとした旅行をしたような楽しみがあったね。発見も多かったので実り多き家呑みであったな。ま、よくあるのは、ここでランキングなんてぇのをやったりするもんだが、ワガハイはそんなもんやらない!酒は結局その飲み手の感性次第だからねぇ・・・ただ、結論は一つあると思うな。それは、呑める酒か呑めない酒か、それだけだと思うんだな。だからねぇ・・・このブログの文章を、少し注意深く読んで頂ければ、Etsuro1がお勧めする酒と、お勧め出来ない酒はお分かりいただけると思うんだな。

でもまあ、概ね、神奈川の酒は、とんでもなく面白いことになっていることが分かったな。それぞれの蔵のキャラクターも見え隠れして、ブラインドでも当てられるだろう酒を覚えたぞぃ!