昨日まで回を分けて(以下リンク先に始まり)書いてきたのは、つまりスロー・リーディングに関わるコトだった。
今は知らんが灘中では、かつて一冊の本を時間を掛けて読むという授業をやっていたらしい。そのコトを書いた本も出版されているみたいだ、が、ワガハイは読んでない。だから勝手な憶測になるが、その授業体験は読解というよりも体験に近く、もっと言うなら指導要領から完全逸脱しているのだから、もはや授業の域を外れていたのかもしれない。
画一化された教育、ではなかった。でもそれは成績優秀者の集まる私学だからこそ出来たコトであって、むしろ放っておいてもテスト成績が高い人たちの集まりならば、尚更体験的(追体験的)なコト・・・身体的感覚を伴う授業を行った方がバランスが良い、というようなコトだったのではないか?と思ったりする。
故に、昨日書いたF先生のレッスンというのも、スロー・リーディング的だと思うのだが、コレもまた万人に向けて行える内容ではないかもしれない。
ただ、F先生が子供の頃に行った妻へのピアノレッスンでは、ピアニストを養成するワケでもなく、達者に演奏して発表会で称賛を浴びる為のものでもなく、とにかく音楽を聴き、楽しむコトを気付かせる為のレッスンだったという。それは本人も自覚して感謝しているし、先生もそういう狙いだったと話していた。
つまり・・・演奏家としての才能はなかったのね!
でもまあ・・・どこかでお気づきの方もおられるかと思うが、F先生の「聞きなさい!」という言葉には、要するに聖書的な意味合いが含まれている。
見よ!聞け!
見開かれるコト・・・それは確かに妻を見ていると起きたのだろうと、感ずるコトがしばしばある。それこそがF先生の狙いだったのだろう。
音楽も様々。F先生の言われたコトが全てのジャンルの音楽に通用するかどうかは知らん。だが少なくとも西欧音楽ならば、それを肯定するにも否定するにもベースとなる問題には違いないだろう。
西洋哲学を学んでいるのに、神学・聖書解釈が抜け落ちている・・・若しくは齧った程度で分かったコトにしている・・・というのは、せっかくの哲学的問題提起を曲解し、誤解してしまう結果に終わる。
まあ・・・そんな難しい言い回しをせずとも、一冊の哲学書を読む楽しみを失っているワケだ。
ニーチェなんて、ありゃ、哲学じゃないから。完全に教会批判だって。その典型例だから。だから面白い。殆どカリカチュアでありパロディだ。腹を抱えて笑って読む書物だ。よくもまあ・・・あそこまで皮肉ったもんだ!と感心する書物だ。
だが、決してイエス批判をしているワケではないトコロが、彼の国々で愛読され続けている理由だろう。
ニーチェはいったいナニを論駁しているのだろうか?
いや、コレは娯楽です!
というワケで、速読も乱読も必要ならばやればいい。そういう能力を身につけるコトも人生において役に立つコトもある。実務的な読解では、そういう能力はあったに越したコトはない。でも、それは受験という関門を抜ける為に嫌でも鍛えられる能力なんであって、それを会得した人こそ一冊の本と徹底的に付き合うという読書もまた、時にあると素晴らしいには違いない。
再読もそうだな。
読み返すことに耐えうる本。
一生、手元に置いておきたい本。
棺桶にも入れて欲しい本。
そういう本に、全ての人が巡り合えますように・・・と思う(けど、そうはいかないだろうが)。
さて、本日も1400字となった。
ここで一旦、Fさん関連の話しを中断して別のネタに切りかえる。
時々ケースを開けて状態チェックをしているクラシック・ギター。1980年製のヤマハ だ。
弦は錆びている。弾かなくなったけれど、ソロソロ張りかえておきたい。来年の暇な時に替えることにしよう。といっても実際問題、再びギターで遊ぶにしても、この弦長650mmのギターはワガハイの左手には厳しい。
ワガハイ・・・手が小さいので。
足も短いが腕も短い。そして指も短い。
本当は630mmのギターがイイのだ。だがコレを買った当時の弦長の主流は658mmだったと思う。つまり8mm短い恩恵をワガハイは享受していたのだった。それに若かったから左手に柔軟性があって、曲は選ぶがナントカなっていた(それに下手だから難易度の高い曲なんてやれないし)。
でも、一度中断して長いブランク・・・もう、手首が・・・耐えられない。間違いなく無理してこの楽器を弾いたら左手が壊れてしまうだろう。
このモデル・・・一応、ハンドメイド・モデルである。多分、半分ハンドメイドなんだと思うけれど。それに指板の材質は黒檀!
黒檀ですよ!(まったくの安物ギターではない)
チョロッと鳴らしてみると・・・材質も適当に枯れてきたのか、イイ感じにドライな響きで、高級ギターではないもののナカナカの鳴りをしてくれる。
弾かないのは勿体ないんだけどねぇ・・・
でもまあ、また始めるならば630mmのギターにしないと、左手の不具合で整形外科通いになってしまうな。もう、高級ギターを買う必要はないけれど・・・以下リンク先のモデルが一番手頃で内容もイイかもしれない、と思いはする。
でも・・・買っても三日坊主のような気もする。
というワケで、ワガハイの好きなギター曲のリンクを、以下に貼っておくので聞き比べなど楽し!
上リンク、福田進一さんのエストレリータは、55:09の位置から!
ワガハイ、この曲も数か所・・・指がとどかない~~~っ!