ベーリーAも、ここまで到達したか!と、この一言で終わる。
マスカットベーリーAはハイブリッド品種なので、どうしてもラブルスカ種の影響が香味に出る。それが気になる人にとっては、相変わらずB級ワインの位置付けである。実際に身近でも毛嫌いする友人がいる。
いや・・・彼は完全にマスカットベーリーAのワインをバカにしている。
「俺の飲み物ではないんで・・・」
この一言で切り捨てる。確かに、ブルゴーニュ呑みにとっては、そういったコトになってくるのかもしれない。だが、ピノノワールはピノノワールである。メルローはメルローである。それぞれのキャラクターでの存在理由があるだろう。
そういう観点からすれば、マスカットベーリーAはマスカットベーリーAである。そのキャラクターが活躍できる場があるかどうか、にかかってくる。とはいえ、やはりラブルスカ種っぽさが強いと、甘目の料理との相性になってきてしまう。つまり「割り下」の味の世界だ。
甘辛!
「割り下」は、王道のバランスを実現するズルいベースとなる調味料だ。省略形にしなければ「割り下地」と言うヤツだ。
砂糖や味醂を含むから、この甘味が料理に強く影響するのは当然だが、その混合比率は地域性もあるし、料理人の個性が反映されるから、一概に割り下とワインの相性は語れない。
だが、概ねクリアーな欧州ワインは、どうも割り下とは・・・ダメとは言い切れないコトもあるが、な~んか・・・ねぇ?となりがち。
そういう場面でも、合わせやすいのがマスカットベーリーAのワインだったりする。だから和食系の食事にとてもいいワインだ。
だから日本ワインなんだねぇ。
もっと楽しまれて良いワインが沢山あるんだけどねぇ。
「ルバイヤート マスカットベーリーA 樽貯蔵 バレルセレクト 2020」は、いちいち日本ワインというコトを意識することもなく、ラブルスカっぽさもあまり気にならず、抵抗なく呑めてしまう。
ナニも身構えるコトなく、清々しく快適に呑める。ブラインドでグラスに注ぎ、呑み終えてボトルを見たら・・・たぶんビックリするだろう。
マスカットベーリーAだったの!