上の画像はフォトショップの「色域外警告」を表示させた状態だ。潰れたグレーになっている部分がソレにあたる。
これはど~ゆ~コトか?
普通にRGBデータでアレコレ使っている分には無視して構わないから、殆どの方には無縁の話しだ。だが、オフセット印刷するとなると少々配慮しなければならない。つまりRGBをCMYKデータに置き換えるケースだ。
ワガハイはフォトショップを使う時に、RGBの座標数値よりもCMYKの数値の方が感覚的に把握しやすいので参照するコトしばしば。CMYK変換を行わなくてもだ。RGBの数値だと、なんか・・・??なんである。
減色混合(減法混色)に慣れている。
まあ、絵具やペンキを混ぜて色を調整すれば減色混合だからねぇ・・・やっぱり物質的なコトの方が分かりやすいんだな。
一方、加色混合(加法混色)は光の混ぜ合わせ。モニター画面もコレだが、舞台照明なんてやっている人だったら直感的にサクサク扱えるんだろうな。
で・・・絵具を混ぜると様々な色が作れるけれど、混ぜるほどに彩度が落ちていくので、自然の中で描いているともう、色の表現に我慢が出来ない!というワケかどうか知らんが、点描なんていう面倒な技法を使った画家もおられる。少し離れて描いたモノをみれば、絵具を混ぜなくても何となく様々な色が見えてくる(視覚混合)ってな感じだ。
色覚検査表かいな? って思ったコトもあったけど。
点描ねぇ・・・ま、一度はやってみると面白いけれど、ソレで長いこと描くっていうのは余程の拘りを見いだせなければ辛い。計画的に点打ちしなければならないので、まあ、疲れるねぇ。
でも、ナニを頑張ったってチューブから出した色以上の彩度は出ない。それが上限だから。肉眼で捉える光景を物質に置き換えるっていうのは、腕っ節で描こうが、カメラを用いて捉えようが、帯域が狭すぎるんだわなぁ。
花を撮影すると、ナニやっても色域不足だ。だからビビットな色だと尚更ディテールが失われてしまう。高彩度の中での階調が不足して分離しないのだ。
で・・・思い出すのがフジクローム・ベルビアってぇポジフィルムが発売された時だ。1990年だったかな?非常識に高彩度なフィルムだったので、その画像は目を見張る程に鮮やかな発色を示し、美しい花はより鮮やかに!青空はより青く!なった。
一度使うと止められなくなるというベルビア中毒患者が出現した。
ベルビア+PLフィルターで、有り得ない強烈で濃厚な空に映える被写体!
ベルビア+PLフィルター中毒も、コレにハマると抜け出せない患者が増えた。
(酷かったからねぇ・・・)
それでベルビア発売当初、このフィルムの扱いに慣れない製版技術者(スキャナー・オペレーター)は戸惑った。ワガハイ、テスト撮影して、ソレを技術者に見せて扱いが可能かどうか尋ねたコトが数度あった。そしてそれは印刷屋として対応しなければならなくなるフィルムなので、テスト・スキャンをして確認したりしていた。
ワガハイ、小さな印刷屋さんにベルビアのサンプルを提供したんだなぁ・・・ま、どのみちベルビアの彩度はオフセット4色印刷では再現出来ないから、ソレっぽく設定するんだが・・・結局、印刷屋さん的には「エクタクロームの方が楽ではあるんだよねぇ」との言葉もあった。
エクタクロームX
このフィルムの名前を知っているのは古株。更に、使ったコトのある方は、既に老人だねぇ。ワガハイは沢山使った。
現像は・・・E-4プロセス!
まだ、何処かにこの未使用フィルムが1本あると思うのだが・・・ま、もう使うコトはない。記念にとっておいても仕方ないんだが、年末大掃除でもとりあえず目にとまらないから、まだ捨てはしない。
とても階調表現が軟らかいポジフィルムで、このエクタクロームXはヨカッタねぇ。
でも、なんでも流行っていうのがある。エクタクロームX的な画質は廃り、メリハリが好まれた。それに応じてコダックもメリハリ系になっていった。
それでも、アスティアっていうフィルムを売り出したフジの功績はワガハイ的には称えたい。アレは使えた!やっとまともなフィルム作ったなぁ・・・って思ったんだが生産終了。なんか、ワガハイがイイじゃない!って思うのは続かないなぁ。
コレからどうなるかねぇ。ペンタックスがフィルムカメラを開発中なんていう情報もあるし・・・そんなワケで、本日は色域のコトから高彩度の扱いに関わる思い出を少々書いてみた。
昔の映画やテレビドラマのタイトルバックに、「東洋現像所」という名前を見るだけで涙するジジイだからねぇ・・・ワガハイ、昭和だねぇ。