昨日に引き続き、山梨県甲州市の塩山駅前にある「甘草屋敷」について。
画像データから文字を読むのって案外面倒だと思うので、お久しぶりに書き写してみたからねぇ。読んでみてね!
甘草(Glycyrrhiza uralensis Fischer)
現在世界各地で用いられている甘草には、ウラルカンゾウ(東北甘草)、グラブ
ラカンゾウ(西北甘草)などがあり、日本では年間約一万トンが中国などから輸入
されている。このうち食品の甘味料などに三分の二が使われ、残り三分の一が薬
用にされるが、甘味・生薬の成分とも根およびストロン(根茎)に含まれるグリチ
ルリチンである。薬用では主に漢方薬の原料として、厚生省指定漢方処方210品
目中150処方(71%)に配合され、最も多用されている。
甘草屋敷の甘草はウラルカンゾウである。高野家に残されている「甲州甘草文
書」によると、高野家の先祖である庄兵衛が、東新居村(現一宮町)の弥次右衛門
から根を分けてもらい栽培していた。その後享保5年に幕府の本草学者・丹羽正伯
が当家を訪れ甘草であることを確認し、幕府上納と小石川薬園で栽培する際の補
給源のため、一反十九歩(約1,055㎡)という免税の甘草園が設立された。
甘草の栽培には細心の注意をはらったことが、「文書」からみてとれる。屋敷の
芝木囲いが一間あたり二匁二分かかるのに対し、甘草園の囲い(竹矢来)は四匁か
かり、屋敷より立派な囲いが園を巡っていた。
今ここに残る甘草は、高野庄兵衛が根分けをしてから少なくとも340年を経て
いることになり、日本で最も古い由緒をもつものである。
こういう説明板ってねぇ・・・現場でしっかり読むのが苦痛なんだな。パンフレットの説明文っていうのも、現場でしっかりと読むのが苦痛なんだよな。
ま・・・な~~んも読まない人も多いかと思うケド。頂いたパンフレットは記念に持ち帰り、箱に入れられたり引き出しに仕舞われたりして・・・暫く経って大掃除の時にゴソッと捨てられる運命にあったりする。
全文をしっかりと読むって人は、少ないんじゃないかなぁ。そういうワガハイも、斜め読みが多いからねぇ。そしてしっかりと読み込もうとすると情報不足だったりする。もっとも、つぶさに理解したところで直接的な利益に繋がるワケでもないし。
そうして「能率的・効率的」に生きて行くには深入りしないのもアタマの良さである。ドップリとハマったところで、実生活には何のコトもないからねぇ。でも、そういうのは合理的な生き方とは限らないと思うのだが。
ここで、よく使われる「合理的」といいコトバについて、意味違わない?という場面が多いのが気になっているワガハイなんである。そこは「能率的・効率的」っていうべきでしょ!ってね。理に合っているコト=能率的・効率的とは限らないからねぇ。むしろ理に合っていると面倒くさい場合もあるからねぇ・・・?
で・・・上の解説を読んでいて気になるのは「・・・高野家の先祖である庄兵衛が、東新居村(現一宮町)の弥次右衛門から根を分けてもらい栽培していた。」というところ。
弥次右衛門さんの甘草って何処からやってきたの?
(まさか、ネット通販やホームセンターで購入出来たワケじゃないからねぇ。)
まあ、一応・・・気になりはする。だが、深く深く追求するのは止めておこう。それは、老いて気力も体力も続かないという合理的な理由による。
まあ、ともかく百聞は一見にしかずというように、塩山近郊に行く機会があったら、その機を逃さずに「甘草屋敷」を外観だけでも見てくださいな。入場料を払うと関係者の賑やかな会話も、室内空間に添えられた彩りだからねぇ・・・楽しそうな職場!
次回は塩山のワイナリー「機山ワイン」について。