今週のお題「何して遊んだ?」
子供の頃は昭和30年代後半から40年代・・・日本が戦争に負けて十数年後の時代だった。だから「戦争を知らない子供たち♪」という歌があったが、まさにそういう子供だった。だが、身近な所に戦争の爪跡は残っていた。
先ずは防空壕の跡だ。これは子供ながら興味津々の穴で、放置するとゴミ捨て場になるし、子供たちが集結する遊び場にも近かったので、土地所有者によって廃材のトタン板で塞がれていた。親からも「決して近寄ってはならない!」と厳しく言われていた。
まあ、禁止されると余計に興味が湧くというのが心情である。そして恐る恐る子供たちはその封鎖された防空壕に近づくもんである。そして隙間から中を覗いてみるもんである。だが、同然ながら真っ暗でなにも見えなかった。
・・・以上。
後日、ワガハイが喘息で引っ繰り返っている時に、子供たちは集結して、遂にその封鎖された防空壕のトタン板を横にずらして中を覗き込んだらしい。それは後日、地域の問題となり、更に厳重に封鎖された。
その防空壕があったのは、畑の縁に続く段丘の際だった。畑では時々お婆さんが鍬を持って農作業をされていた。そして幅2メートル程の川には軽トラがギリギリ渡れる程度の橋が架けられていた。子供たちは毎日、学校が終わるとその橋を渡った先にある空地と小さな薮を遊び場にしていた。
ある日、畑のお婆さんが子供たちの前に現われてこう言った。
「二度と防空壕には近づいちゃダメだ!今度近づいたら、この空地も囲って入れないようにするからな!」
当時、埋められずに存在していた防空壕は、日本中のアチコチにあった位だから、今では考えられない程に戦争の痕跡の中で、子供たちは遊びまくっていた。コンクリート壁には妙な穴が開いている物件もあったし、さすがに近隣ではなかったが、遊び場から不発弾が見つかったという話も子供ながら聞いた。親からは、
「空地で穴掘ってはいけません!不発弾が出たら死んじゃうからね。」
などと言われたもんだ。
さて、お気づきダロウか?他人様の所有する空地に、不発弾の心配をする程に穴を掘るようなコトって、現在ではあり得ないと思うのだが・・・あの頃はスコップ担いで空地に穴を掘って、小川から水を汲んできて池を作ってみたり、そこに土を投入してこね回し、「底なし沼だぁ~」などと驚喜乱舞している子供たちがいた。自分の背丈ほどの深さの穴掘りなんて、男の子ならば簡単にやってのけるのが普通だった。
ワガハイは虚弱児だったから、1メートルも掘れなかったケド。
落とし穴作る名人がいてねぇ・・・余りにも深く掘るので危険である!と地域で問題になり、学校でも「落とし穴禁止!」なんて注意がされて、地権者からクレームも出て・・・遂にその空地には囲いがされてしまったこともあった。
まあ、落とし穴名人っていうヤツは、ワガハイが小学校低学年の時にいた中学生で・・・ワガハイ達が遊びにやって来ると誰かが穴に落ちないか・・・と、楽しみにしていたワルだった。それでワガハイは石橋を叩いて渡るような感じで、棒きれで地面を突きまくって落とし穴を先に落として、それから遊んでいた。幾ら穴隠しても、土の表面が変だからねぇ・・・穴の位置は見当つくケドねぇ。
今思うと、遊具があったりする整備された公園というのは無かった。とにかく造園屋さんの空地だったり、田圃を埋め立てたり、藪を整地した家が建つ前の空地だったり、そういう場所がアチコチにあった。そして囲いもされずに出入り自由だった。こんなの、今じゃ考えられない管理のありかた、だよなぁ。
だから・・・火の見櫓に登っていった子とか、肥溜めに落ちた子とか、他人の家の屋根伝いに遊び場へ向った子とか・・・ワイルドだったねぇ。これ、今じゃ全部アウト!だよなぁ(ま、当時だってアウト!だけど)。
ワイルド、というキーワードが出たところで話題は変わる。
朝からお久しぶりの雨で、しかも強めの降り方だ。ところが鉢植えのワイルドストロベリーはご覧の通りに赤くなっている。収穫だよなぁ・・・と思いながら、小雨になるのを待っている。
ちょっと濡れる位ならいいんだが、瞬間的にずぶ濡れ状態になるような降り方だからなぁ・・・というワケで、窓から望遠レンズで撮影である。
さて、カメラっていう道具は、そもそも「窓(フレーム)」なんである。構図を決めるにフレーミングなんて言い方があるよねぇ。デジタルカメラになってしまったから、なかなか「窓」という実感は乏しくなったが、フィルムカメラならば、裏蓋開ければ四角い窓があるっていうのがアリアリと分かるからねぇ。
それでカメラという窓を、窓越しに構えて雨の庭を撮る・・・ってぇのは、ナカナカに写真論なんじゃないのォ?なんて思いながら、結構楽しく遊べてしまった。これがジジイになったワガハイの、今朝の遊びだった。
アチコチ出掛けなくても家の窓越しにカメラを構えていれば・・・結構遊べるなぁ。それに望遠レンズって便利だ。いろいろ邪魔なモノを避けてボカして画面整理が出来る。
雨で光が弱いから、フィルムカメラだったら厳しい撮影条件だが、デジタルなら感度も容易に上げられるし、手振れ補正も付いているし・・・コントラストの低い光の回り方の上、望遠レンズは広角~標準レンズとは違ったコントラスト特性にならざるを得ないから・・・その辺を上手く利用しながら後処理(フォトショップ作業)を見越して撮影を設定しておく。ISO400でシャッタースピード1/200sec.絞りf.4。レンズはオリンパスなので35mm換算で420mmの望遠レンズとなる。
庭のコンクリート部分の水たまりに出来た水紋を撮るとこんな感じ。ISO1600、1/125、f.5.6。
水面を撮影していると、いよいよ睡蓮を育ててみたくなってくるねぇ・・・ちょうど祖父が使っていた火鉢があるのだ。それを用いて睡蓮を、という計画を実行しようか?
親戚中から邪魔物扱いされていた火鉢で、廃棄される運命の物を貰ってきたんだなぁ・・・こういうコトやってるからモノが増えて片付かないんだがねぇ。ワガハイが子供の頃・・・防空壕がど~た~こ~たの頃に、餅を焼いていた思い出のある火鉢だ。今度は焼餅ではなく、睡蓮でも咲かせてみるかねぇ。これは、これからの遊びだな。