Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

堂々たる「大七 生モト 純米大吟醸 箕輪門」

f:id:Etsuro1:20220110113018j:plain

大七 生モト 純米大吟醸 箕輪門

大吟醸酒っていうのは気難しい。食事との相性も面倒だ。そもそも日常的な食事に合わせるのが難しい場合が多い。香味が繊細というか、微妙というか、もっと言うなら弱いという場合もある。それに妙な吟醸香があったりすると、食事の邪魔になるばかりか、ハーブ系の香りと干渉して嫌味に感じてしまう場合もある。

概ね和食に関しては、繊細な仕事の和食ほど、吟醸香というのは邪魔になるコトの方が多いと思う。我家の日常の食卓というのは、さほど繊細なメニューではないが、それでもうま味調味料はほぼシャットアウトであるし、塩味も極めて薄い。素材のうま味重視の調理法なので、余り妙な吟醸香は困りものなのである。

特にパイナップル系の香りがあると苦手である。まだリンゴ系の方がマシである。それでもプンプン匂い立つヤツはダメである。まあ、大昔ほど酷い強烈な吟醸香を立てる酒は、さすがに昨今はないとは思うが・・・ああ、紙パックの大吟醸ってぇヤツは、ありゃあキツかったなぁ。

フルーティー吟醸香なんて言うが、フルーツはデザートですなぁ。なんかメインとデザートを一緒に食べているような気分になる酒って、特に昔はあったからねぇ・・・(美山錦にアルプス酵母の組み合わせが最も苦手だったワガハイ)

etsuro1.hatenablog.com

それで先般の「竹葉 特製大吟醸 美齢」も、〈華やかな香りと際立つまろやかな透明感〉を裏ラベルでうたっていたが・・・〈華やかに香り立つ〉と紙パックにうたった月桂冠と同じく、大吟醸酒としての記号とも言える立香が明快だった。こういうのは食中酒ではなくて乾杯用である。以後、サッサと純米酒に切り替えて食事を楽しく頂いた方がイイなぁ。

etsuro1.hatenablog.com

これが純米大吟醸となると、ちょっとコトが違ってくる。案外、食中酒として楽しめるモノが出てくる。純米なのかアル添なのか、という違いは吟醸酒大吟醸酒において大きな差が出てくると思うんですな。このあたりは所詮は好みの問題だが、ワガハイ的にはアル添吟醸、アル添大吟醸は・・・あまり好みではないなぁ。特別本醸造酒の中には、コスパが良くて美味なものがあるけどねぇ・・・「相模灘」とか「喜久酔」などだが。

 

さて、「大七 生モト 純米大吟醸 箕輪門」はど~なのか?というと、もう堂々たる仕上がりの酒でしたなぁ・・・美味!素晴らしい!ブラヴォー!でしたなぁ。いやぁ~大したもんだなぁ・・・と、一口呑む度に感心し、感動しましたなぁ。元々、蔵のある福島県二本松市っていうのが好きな場所ではあるから、その好意的な印象が若干上乗せされていない、と言えばウソかもしれない。だが、どうして阿武隈川流域ってぇヤツは、米といい果物といい、野菜といい、魅力的なんだろう。あ、人間もね。

というコトで、この酒のコトについては以上で十分なのである。

f:id:Etsuro1:20220110115852j:plain

裏ラベルだ

燗酒も美味い純米大吟醸というのもあるが、この大七に関しては燗をつけるという気分にはならなかった。裏ラベルの記述通りに「微冷温」とまでは言わないものの、室温までで良好だった。

抜栓から一升瓶が空になるまでの四日間、呑んでは冷蔵庫に仕舞い、呑んでは冷蔵庫・・・と繰り返したが、香味バランスが崩れることはなく、少しずつイイ感じで開いていった。非常に軽やかなのは大吟醸ならではである。だが、生モトらしい表情のある酸が礎に感じられるからだろうか、案外強めの食とも合ってしまう。実現は不可能だったが玄蕎麦との相性は良いだろう。蕎麦の風味を邪魔せずに、お互いの香味を引き立て合うのではないか、と思った。

 

たまには純米大吟醸酒もイイもんですな。