Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

川西屋酒造店で醸された新酒・・・あらばしり 純米吟醸 無濾過生原酒 〈白隆〉槽しぼり

謹賀新年 2022年

今週のお題「買ってよかった2021」

そりゃあ、やっぱり新酒でしょうな。日本酒もワインも新酒だなぁ・・・。

昨年は、山梨県の「新巻葡萄酒」さんが、ワガハイの想像を超えて素晴らしかったし、毎度おなじみの「丹沢山・隆」の秋上がりも素晴らしかったし、12月に入ってからの新酒の幾つかも、例年以上に美麗な香味を有していた。

当ブログは、別に酒をメインテーマとしたものではないんだが、今年も酒ネタが多くなりそうな気配だ。

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あらばしり

さて、昨年末に呑んだ、神奈川県山北町にある川西屋酒造店で醸された新酒・・・「隆」の新酒生酒である。当ブログの年頭は、やっぱり足柄若水100%の白隆ですなぁ。

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矢継ぎ早に様々な種類の生酒がリリースされる川西屋酒造店のお仕事・・・これに翻弄されると、他の蔵の酒が全く呑めなくなってしまう。そして他の蔵の酒を一本買って、これもまたイイなぁ・・・なんて暢気にやっていると、また新たに何本もの新酒が酒販店の冷蔵庫に並んでいる。これはとても豊かな日本酒環境といえるだろうが・・・嬉しい悩みである。全ての川西屋酒造店のお仕事を享受するのは、ハッキリ言って無理である。

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裏ラベル

あらばしり」というのは、要するにフリーランである。清酒という澄んだ酒に仕上げるには、発酵を終えてからも幾つかの工程を経るのだが、先ずは醪を搾って液体部分と糟を分けることになる。それを「上槽(じょうそう)」という。酒袋に醪を入れて「槽(ふね)」に寝かせ入れて積み上げていく。それを上から徐々に圧力をかけると、槽の下に開けられた口から液体が流れ出す・・・それが「槽しぼり」と裏ラベルに書かれている清酒への仕上げ工程の始まりだ。

まあ、上槽にも様々な方法があって、酒袋を吊して、したたり落ちる滴を受ける方法・・・「袋吊り」であるとか、通称「ヤブタ」なんて言われるが水圧を利用して絞る機械を用いた機械絞りもある・・・というか、量産するためには機械で絞らにゃあ埒があかんわなぁ。

というわけで、川西屋酒造店の今季のお仕事も、昨年に引き続いて全量「槽しぼり」らしい。やっぱりワガハイ的には「槽しぼり」はイイねぇ。

 

上槽は、先ず流れ出す「あらばしり」、次に「中取り」、最後に「責め」と言われるように、圧力を強めて絞り上げていくにつれて香味が変わっていく。それは責めになるほど味わいは濃く、故に雑味も多くなっていくというのが一般的な流れだ。だが、かれこれ20年近く前の話になるが、川西屋酒造店で酒造工程のレクチャーに参加した際には、「あらばしり」だろうが「責め」だろうが、嫌な雑味というものは感じられなかった。

つまり、嫌な雑味が生ずる問題点を、仕込みの工程において押さえ込まれているということだな。で・・・他の某酒蔵では、上槽後の濾過工程などで引き算しているようなフシもあった・・・これ、簡単に引き算出来るもんでもないだろうがね。

要するに、一つ一つの工程を丁寧に確実に積み上げていくというコトなんだねぇ。

 

この「あらばしり」には、薄いにごりと若干の発泡性が残っていて、槽口から流れ出したばかりの・・・生まれたばかりの酒の雰囲気にも近い感触を味わえる醍醐味がある。実際には瓶詰め工程などで緩やかな空気酸化を受けるから、流れ出したばかりの酒よりも香りは開いているケドね。

まあ、酒好きにとってはやっぱりこういう酒はヌーボーの味わいですよ!無濾過でも違和感のある香りは一切なし!冷蔵保管が鉄則な酒なので、酒販店で購入後は速やかに帰宅するか、クーラーボックスに入れて持ち帰るか、それ位の気構えはしよう。或いは夕方になってから酒販店に行く・・・その時間帯ならば外気は冷蔵庫内と同じだから心配無用だな。

この季節ならではの「生酒」・・・地元神奈川県の酒で楽しめるのは有り難いことだと思う。それぞれの地域の酒蔵のフレッシュな味わいを、堪能くだされ!