Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする男の戯言記録

御前崎売店の海景は気持ちよかったなぁ・・・貝殻売ってたな

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昨日の画像より少し高度が上がった風景・・・御前崎

昨日のブログで、叔母が麻生さんのファンだったと書いたが、今生きていれば彼女は90歳位になるのではないか、と思う。生涯独身で、キャリアウーマンの先駆けともいえるかもしれない。民間企業でそれなりに出世もした。

ただなぁ・・・見栄っ張りでいろいろ参ったな。その見栄っ張りのおかげで、彼女から貰うお年玉は、親戚中で一番高かったから、正月だけは楽しみだったねぇ。なんか、お年玉の金額で負けるのが嫌だったみたいだ。だからさりげなくワガハイに聞いてくるのだ。「一番金額の多かったのは誰?」ってね。それで「叔母さん」って答えると満足そうだった。なんか「鏡よ鏡よ・・・世界で一番・・・」の、お年玉版みたいだったな。

下手クソで、教習所でもなかなか難儀したらしいが、運転免許も取得して、自宅脇に駐車場を作ってトヨタのコロナかなんかを購入していた。それも上司よりいいクルマには乗らず、かといって部下よりはいいクルマ・・・とか言って選んでいた。乗りたいクルマがあるわけではないので、職場内のバランス感覚で自分に相応しいクルマを選んだようだ。まあ、無難な車種を結果的に選んだんだな。

当時、同クラスのクルマをワガハイが選ぶなら、日産ブルーバードだけどねぇ。

とにかく、自分を取り巻くまわりを注意深く気にしながら、下手クソでも麻雀を覚え、これまた下手クソでもゴルフを始め、テニスまでやってみたものの・・・これは直ぐに断念したみたいだった。

 

彼女の遺品整理では、着物類などのいわゆるタンスの肥やしを兄弟が引き継ぎ、二束三文でも売れそうな書籍類は古書店に引き取ってもらい、それでも、どうしたものか分からないものだけが納戸に集められていた。そういう段階になって、はじめてワガハイの出番となる。叔父から連絡があり、「ひょっとしたら、俺の分からない価値あるものがあるかもしれないから、ちょっと見に来てくれないか?」というワケだ。

見栄っ張りだった叔母だが、それは表向きなコトは間違いなく、ワガハイの血縁に富豪などいるワケがないので、大した物はなかった。食器に未使用のミントンのペア・ティーカップがあった位だ。独身の叔母がなんでペア・ティーカップなのかは謎だが・・・ナニかのお返しモノだろうか?

古書店が引き取らなかった書籍類はだいぶ残っていて、山本周五郎井上靖など、文豪のハードカバー多数である。仕方ないのでワガハイが全部引き取った。こうして我家はモノが増えてゴミ屋敷化の危機にさらされているワケだが・・・流石に一回だけフリーマーケットに参加して、その殆どを処分した。

でもねぇ・・・バラでも100円、セットでも100円としても、文豪のハードカバーは全く売れなかったな。いいですか、文化勲章受賞でも売れませんからねぇ・・・ま、そういう賞っていうのが好きではないワガハイとしては、ある意味喜ばしいことなんだが・・・後日、資源ゴミ置き場に置かれた文化勲章受賞の図、っていうのは、ナントモ嬉しくも悲しき複雑な状態でしたなぁ・・・。

これはひょっとして・・・文学の危機?

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御前崎灯台売店で売られていた貝殻

まあ、文学に籠もった世界観から文学を生み出すよりも、貝殻から文学が生まれる方が興味あるし、資源ゴミ置き場に積み上げられた文学全集の図・・・から文学が生まれる方が良いんじゃない?とは思う。これって、様々な領域で感ずることだ。政治のなかで自己受粉を繰り返しているような感じってぇヤツは、気持ちワルい。もう少し具体的に例えるならば、そういうコトだな。

御前崎売店で売られていた貝殻は、磨きすぎだけど綺麗でしたなぁ・・・この日、ワガハイは観光で行ったのではなく、仕事の時間待ちで立寄ったので、貝殻購入には至らなかったケドね。

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御前崎売店 1

機材がいわゆるオリンパスPEN(EP-5 M. ZUIKO DIGITAL 17mm 1:1.8)だったので、全体ヒキの図は撮れなかった。天気はイイが風はソコソコ強かった。だいたい灯台へ行くと帽子など飛ばされるコトがあるもんだからな。半分は海上にいるような環境だと思えば、そういうもんですな。

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御前崎売店 2

ここも海景を堪能するにはいい所だったなぁ・・・お客さんで賑わうと邪魔になるだろうが、一日中ここに三脚立てて、時々アテもない感じでシャッターボタンをいじって・・・或いはイーゼル立てて、50号位のキャンバスに描いていたりして、時々風に煽られてイーゼルが倒れたりしてねぇ・・・絵具と砂埃が混じっちゃったりして。

ああ、そういう老後・・・には、なりそうもないな。

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改修工事中の灯台 遠景

御前崎灯台は、そりゃあ海に面して周辺に人家はないけれど、少し北側に行けば住宅街はあるし、それ程過酷で孤独な環境というワケではなかった。大昔はもっと孤立感があったかもしれないけどね。犬吠埼のような過酷な環境ではないように思った。そして上画像から反対側の風景がコレだ。

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御前崎から遠州灘遠望

下の道路にはバイクツーリングの皆さん。ツーリングの定番だよねぇ・・・御前崎。「おい、オマエ先に行けよ!」・・・寒

駐車場はバイクで埋め尽くされたな。

因みに、この風景のチョイ先に浜岡原発があるからねぇ・・・。

 

叔母の若かった頃は戦争、そして終戦(敗戦と言った方がいいかな)の食糧難の中での高校生活・・・そして就職。御前崎にツーリングを楽しむような時代ではなかった。そして、なんか自ら楽しむ時間を持つことが苦手・・・というかど~してイイかモヤモヤして過ごした人生のように感ずる。そういう世界観が形成される環境で育ち、まわりとのバランスを考えながらソコソコの出世をし、一通り評価の高い文学作品を読む人生だった。

それは叔母に与えられたオリジナルな時間だったのだが、ワガハイはなんか、胃のあたりにつかえるような思いを生じてしまう。なんだったかねぇ・・・村上春樹さんの小説で、房総の何処かの施設にいる父親を訪ねるっていうシーンがあったと思うんだが・・・なんていう小説だったかは忘れた(ワガハイはハルキストではないけど)。だが、それを読んだ時の感覚を思い出してしまったりしたんだなぁ・・・。

 

因みに、叔母の書棚には村上春樹の小説も、漫画も無かったらしい。つまり、そういう世代なんだな(およそ10歳年下の麻生さんの世代になると・・・ゴルゴ13なんだよな)