Etsuro1のブログ

関東南部で寝起きする四捨五入して還暦男の、適当な言語の羅列記録・自称乱学者

行きつ戻りつ「読書時間」この国は沼地とは申すれど・・・パライソとは「北島」の香味であろうか?

理を積み上げてデザインし、その通りに実行する方法を作る。それを検証しながら修正を加えていく。それは物の製造現場で繰り返されていることで、今までは日本製品の信頼性を支えてきたんだよねぇ・・・それは日本人の培ったものだった筈なんだが?

だが、統治というのは理を積み上げるという方法で動くワケではないので、結局感情的に動くという人間の動物的な点が強くなるんだろう。人間、自分にとって都合の悪い人物からは遠ざかるものだし、遠ざけるものだ。都合の悪い人というのは、都合の悪いことを言う人のことだ。

では、どの様な都合に対して不都合なのか?というコトは、当人はあまり具体的に説明出来るようなものではなかったりして、止めておけ、という側は冷静に説明するというコトもある。だが、制止する側もまた自分にとって不都合だから止めておけ、と言っているだけで、その理由を追及すると曖昧であったりもする。

良い例は結婚だったりする。止めておけばいいのにと思う相手だが、「どの様に思うか?」と問われて「止めておけ」と言われれば嫌われる。そして離婚を考えるようになってくると連絡が来たりする・・・「どうしてダメだと分かったのか?」と。そんなの今更説明したところで手遅れだろう。「次のことを考えて行動した方がいい」としか言いようがない。だいたい、結婚相手を理詰めで選ぶなんてコトは、普通では無いことだろう。ま、「止めておけ」とは言わずに「ココロが決まっているならば後悔のないように・・・」程度に答えておくのが無難であろうな。

 

理詰めではないのだが、義とされるコトに徹する人は嫌われる。良い例がゴルゴタの丘で十字架に縛り付けられた男の話である。なんの罪もなく、或いは処刑されるほどでもないコトであったとしても、民衆は裏で買収され、デマにのせられて過ちを犯す。だから昔から為政者は「民衆は間違える」とする。「民衆はバカだ」とする。ならば、我々はバカであるとして、大いに喜ぼうではないか。バカにした者も助かるとは限らないのだから。(ここは、岡倉天心の「茶の本」にある〈われわれは喜んで野蛮人でいよう〉という記述周辺の意味も含めて書いている。)

竹中平蔵さん曰く・・・「世論が間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違いますよ」の話に繋がるので以下リンクをどうぞ!

etsuro1.hatenablog.com

 

さて、遠藤周作先生の「沈黙」だが、数年前に評判高い某映画監督が映画化した。ワガハイはあまり映画を見ない。なぜなら映画館という環境があまり好きではないからだ。だが、「沈黙」という難しい内容を、どの様に映画化したのかは、観ておきたいと思ったのだ。

そして、その映画の内容にはあまり感心はしなかった。結局後半に行くほど原作解釈が希薄になっていき、ストーリーをなぞるだけになっていってしまった。だが、それは無理からぬことで、この小説は重層構造なので、行きつ戻りつしながら読み進めるコトになる、というのがワガハイの読み方だったからだ。

昨日の当ブログの画像でも、文庫本に付箋をベタベタ貼りまくっていた図、だったワケだが、読みながら気になるセンテンスを見つけると付箋を貼り、しばらく読み進めていくと、その付箋を貼った箇所周辺の読み方が変わってきているコトに気付いたりする。すると、付箋箇所まで戻って読み直す・・・ソコは再読になるので速読にはなるが、更に美味しく読み進めるコトが出来るというワケだ。

そんな小説だからこそ、文字の世界だからこそ出来る「読書時間」という味わいを、「映画時間」に翻訳することは不可能であろう。そんなコトしたらタイムラインがグシャグシャである。ならば、「詩」の翻訳のように・・・つまり「韻」のコトだが・・・新しい「映画時間」に創造するコトを求めることになるんだが・・・

やはり、イノウエ井上筑後守)という登場人物の多面性が脚本の時点で読めていないと思われるので、厳しかったですな。それは〈いつになったら西洋は東洋を理解するだろうか。理解しようとするだろうか。〉という「茶の本」の記述を思い出しながら、あわせてその内容をひっくり返す・・・「いつになったら東洋は西洋を理解するだろうか。理解しようとするだろうか。」である。とりあえず二項対立なら割と分かりやすく、ひっくり返した読み方とのバランスの中に興じる面白さがある。パラレルワールドっていうのは、五輪のバブルでのコトではない。それは戦後、横浜根岸にあった進駐軍のフェンスの、彼方とコチラのようなもんであろう。)※

〈十字架に組んだ二本の木が、波うちぎわに立てられました。イチゾウとモキチはそれにくくりつけられるのです。(「沈黙」p.72) 

この辺りの描写は、正確に再現されているだろうと思って映画館に行ったんだが・・・?それはパライソ(天国)を考える上でも、キャメラを通して不可能ならば、暗転でも良いのだが・・・

参ろうや、参ろうや

パライソ(天国)の寺に参ろうや

パライソの寺とは申すれど・・・・・

遠い寺とは申すれど

「沈黙」遠藤周作 新潮文庫 p.74

 この切支丹たちの唄は、このように読み替えることも出来るだろう。

〈羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶(般若心経 真言

この部分は、真言だけに正確な現代語訳・解釈は無理だという。ソモソモ翻訳・解釈厳禁なのが真言たるコトバなんだろう。だが、この真言の意味合いも含めて「沈黙」を読んで行くという楽しみはある。とりあえずだが、イノウエはこういう意味合いを含めながら「根が腐りはじめる(「沈黙」p.188)」と言う(無論、仏教とて血は流れたのであるが)。それはフェレイラのうす笑いを含めてイノウエ、そしてロドリゴという三者が揃ったところで、あからさまに記述はされていないが、その行間に漂う意味深な感触に、ワガハイは狼狽えるほど、スゲーこと表現するもんだなぁ・・・と感心した。これこそ隠喩ってぇヤツだ。「この国は沼地・・・」なのである。

 

「沈黙」は、出版されると問題視されて、しばらくはカトリックに発禁本とされた。そしていまだに遠藤文学を敵視する司祭はいますな。そりゃ無理からぬコト、とは思うが・・・言論の自由はとりあえず、として。よく仏教側からも発禁本にならなかったもんだ、と思うんですな。だが、いまだに版を重ねて新潮社の売り上げに貢献しているロングセラー小説ということだ。

 

昨日の新型コロナウイルス感染者数は、東京都4058人、神奈川県1580人、埼玉県1036人、大阪府1040人、全国合計が12341人という。菅内閣は、こうした数字にもビビることがない、実に肝っ玉のすわった頼りがいのある政権である。大したもんだ!(もちろんイヤミ)「この国はデルタ変異株の沼地・・・政治の根も、既に腐っていたという図」ですかな?まあ、確かに虫歯の治療を放置していれば根も腐り、神経も死ぬ。そうすれば案外、歯も痛くないのかもしれない。いや、既に進行した歯周病で歯が抜け落ちているから、感染症対策に歯が立たない・・・のだろうか?

戦力外通告!どうぞご自愛下さいませ。

 

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気分転換にお酒のはなし・・・

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生モト 北島 玉栄 無濾過火入れ

当ブログの以下リンクで紹介した同じ酒だ。4月に呑んだ時から3ヶ月以上経って、香味にも変化が出て来たのではないか?と再度購入となった。

etsuro1.hatenablog.com

抜栓して30分もすれば、酒が少し開いてくる。すると綺麗な酸ですよ!これは実に端正な生モト純米酒ですな。それだけに料理との相性は少しシビアですな。オリーブオイルはアウト!ニンニクの香りとも合わん!もう完全に和食でガチにいきましょうな。我家の普通の食スタイルには合わない酒なんだが、たまには「北島」買って端正な和食を作るというのもいいもんだろうな。

と書いたんだが・・・相変わらず素晴らしく綺麗な酸、そして端正な香味バランスで、ちょっと禁欲的な雰囲気を持つ点も相変わらず。だが、少し柔らかさが出てきたので我家の食スタイルに合わせやすくなってきた。まあ、ニンニクがガチガチに効いた料理では厳しい時もあるかもしれないし、端正な和食に向くというのも間違いない。だが、40~45度の燗酒が素晴らしく気に入ってしまい、真夏であろうと燗酒は美味い!夏こそ燗酒であるな。淡味の焼き魚など、とても幸せな組み合わせでしたなぁ・・・これはパライソ(天国・パラダイス)ですなぁ。

また、涼しくなる頃に、この「北島」が入手出来たら良いのだが。

 

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北島酒造の栓

パラレルワールド発言・・・29日、IOCのマーク・アダムス広報部長の定例記者会見での発言・・・東京の観戦拡大と五輪は無関係であり、「パラレルワールド(並行世界)みたいなものだ」という内容だった。