ニコンがカメラの国内生産を終えて、これからはタイでの生産になるという。かつて日本は世界中のカメラメーカーを駆逐し、ユニークな設計思想を潰してきた。そしてワガハイが最も残念に感じているのは、ヤシカに始まり京セラに終わったContaxである。ナンダカンダ言って、フィルム時代のコンタックス&カールツァイスは面白い描写特性を我らに与えてくれていたと思う。そしてニコンも癖のある描写特性で、それを活かすと面白い写真が得られた。ミノルタもAF化以前のMDロッコールの標準レンズなど、収差特性がニコンよりも優れている点もあって、用途によっては使いたくなるレンズだった。
で、結局のところキャノンですか・・・まあ、ダメとは言わんが大して面白くもないメーカーが生き残るというのかねぇ?それが世の中の流れならば仕方ないが、ワガハイ的にはドンドンつまらない世の中になっていく・・・つまり自分にとっては都合の悪い世の中になっていくというコトなのかもしれない。
カタログも立派だったねぇ・・・このカタログの中でT-3はいいカメラでしたな。レンズの収差特性としては、まあ歪みはある。だが、モノクロフィルムで撮影すると、コントラストが素晴らしい。シャドーの中の階調を、現像液やら印画紙の号数やら、覆い焼きだので追い込んでいくと、実に深井戸に吸い込まれるかのような闇をプリント上に表現出来たし、ハイライトへ向ってネガ上では銀粒子の密度が上がっていく一方、印画紙上では銀粒子は減っていく・・・つまり定着液の中に溶け出してしまう・・・さらにつまり、プリントでは最も物質感を失うわけだが、そのハイライト部分もニコンやキャノンに比べて痩せる感じが少ないんだなぁ。ま、それを最大限実現出来るのは富士のフィルムではなくて、コダックだったがね。
あ~、ナンだ~かんだ~言って、コダックのT-MAXは良かったなぁ。ネオパン(全盛期の)って、コダックに比べてペライんですな。
あ~あ、物質に置き換わるという写真の醍醐味が失われましたな。それは見る側にもその感性が無くなったもんなぁ。
ソロソロ、フォクトレンダーでも防湿庫から取り出して、近隣に撮影しに行こうかねぇ。今更、ニコンやらキャノンのカメラにフィルムを装填して撮影に出る気にもならんな。特にキャノン・・・つまんねぇな。酒で言うなら大手酒造メーカーの香味のようだ。レンズの描写を喫する(テースティングする)という観点からすれば、の話だ。
でもま、キャノン・・・使っている人は多いからな。ボロクソ書くとまた敵を作ったかもしれん・・・試練かねぇ。
オリンピックといえば、まいどニコンとキャノンがしのぎを削ってフラッグシップ機を出してきましたな。ワガハイ的には、それがまたカメラをつまらなくしていたがね。大体、フラッグシップ機というのはつまらんのですな。馬鹿でかくて、あんなの首からぶら下げて歩いているのは拷問にあっているようなもんだ。
クラシックカメラのファンというわけではないんだが、Contax Ariaとか、PENTAX MXを、新品で買いそびれたコトを少々だが後悔しておるなぁ。ま、探せば中古でも程度良はあるだろうが。
カールツァイスのレンズ名も面白かったねぇ・・・ビオゴン、ディスタゴンって怪獣みたいな名前じゃないか!ま、デジタル用のレンズじゃあ、何となくイメージの話なんだが、怪獣的な不気味さが減ってしまうんだな。やっぱり銀塩用のレンズってぇヤツは、論理を越えているな。