この古墳の場所は、なんとも不思議な所にある。東海大学医学部付属大磯病院のチョイと先、あるいは小田原厚木道路の大磯出口(上り線)から少々、と言うべきか?大磯町美化センターの裏手にある。古墳へのアクセスの要・・・これがなんとも微妙なルートとなるんだが、美化センターの敷地内を抜けていくような感じになるので、入って行って良いのかね?と思いますな。でも、立入禁止とは書かれていないので入って行く・・・そして職員の方と会った場合は挨拶しつつ、「たれこ見させてもらいます」と言えば、「どうぞ~っ」って言われる。そんな感じだ。まあ、時々物好きが見に来るだろうから分かってもらえますな。
そもそも、その古墳の近隣に石神台という地名があるが、宅地開発される際に、だいぶいろいろ出てきたらしい。本当はそれらを全部残してもらったなら、もう古墳のテーマパークだったんじゃ無かろうか?って思うんですが、それじゃ経済に結びつかないのですな。
「画像1」の内部が「画像2」である。奥の壁に仏像が彫られていることで、「穴寺」と呼ばれているらしい。
天井には軒や垂木を表現したとされる筋状の凹凸がみられるが、これ、内部に入って見ると肋骨のようにも見えてくるんだが・・・つまり墓であるから、なんとなく胎内回帰というような印象も持ってしまうんですがな?
まあ、肋骨にしては本数が多いようにも思いますが・・・しかし軒ですかねぇ?なんか釈然としませんな。
入り口は落ち葉が堆積して徐々に中に入ってくるので、手入れをしないとやがて埋まりますな。ここは「穴寺」になっているから、ある程度の手入れがされているようだから埋まらないんだろうな。
ま、例によって書き起こしておきますな。
神奈川県指定史跡
たれこ谷戸西横穴群
昭和四十一年七月十九日指定古墳時代後期に属し、尾根の斜面上に四段にわたって構築された
大磯町域でも最大規模の横穴墓群です。指定時には二二基が知られ
ていましたが、後の調査では二八基の横穴墓が確認されました。
本横穴墓群の形態は、台形の平面で
アーチ型天井を呈する例が主体となっ
ています。また内部に浮き彫りによっ
て軒・垂木を表現した例があります。
本横穴墓群の中には、後世に奥壁を掘
り込んで仏像をあらわし、近世におい
ては「穴寺」と称されて信仰の対象と
なった横穴墓もあります。
平成二十年十二月
大磯町教育委員会
美化センターの裏手に、この説明板があるところが上り口で、チョロッと上れば正面にこの「穴寺」が出現する。ま、その最後の数歩が若干傾斜がキツいので、サンダル履きで行くのはダメですな。もちろん、下駄でもダメです。今頃の季節ならば湿度も低いので環境は比較的ドライで快適だが、暖かくなってくると・・・たぶん虫さんたちがいっぱい歓迎してくれるかもしれないので、あまりお勧めはしませんな。あと、美化センターの裏手という事情もあるので、若干だが飛散したゴミ類が道中に見られることもあるな。ま、そのあたりはあまり神経質になると・・・ちょっとここは行きづらいかなぁ?