重症度は低いとは思うんだが、ワガハイは香味オタクの入口に立っておるのかもしれん。知人の香味オタクの人たちは凄いからねぇ・・・大抵、コーヒー業界の人たちなんだが、ホントにいい嗅覚をしてますな。勿論、日々の研鑽には凄いものがあるんでしょうが・・・
ところが、新型コロナに罹患すると味覚嗅覚に異変が起こるというではないですか!彼らに限らず、飲食関係に限らず、嗅覚に関わる仕事をされておる方々というのは大勢でしょうからな。これは本当に困ってしまうと思いますな。単に、日々の食いものの味が分からなくて食欲がわかない、などという話では済まされない深刻さを生じますからな。
飲食以外でも嗅覚が重要な局面というのはあるな。例えばクルマから降りた時に感じた臭いの違和感・・・それを調べていくと微妙なオイル漏れを発見したり、僅かなサイドブレーキの引きずりを見つけたりしたことが過去にありますからな。やはり五感が健康であることは安全上も大切なことでありますな。
さて、話ついでに嗅覚異常に関して体験を書いておこう。以前にも若干書いたかもしれんが、ワガハイが小学6年生の三学期に酷いインフルエンザで軽症ながら肺炎になってしまった時のことだ。その時、嗅覚異常が生じたな。医師(内科医)から通学を許可された診察時に、「先生、なんか臭いが分からないんですけど・・・」と言ったわけだ。当時でも稀にそういうケースはあるらしく、しかしながらその医師としてははじめてのケースらしく・・・「しばらく様子をみてください。治るまで、ちょっと長くかかるかもしれません」ということだったな。で、治るまで半年位はかかったな。
もっと正確に言うと最初は変な臭いがず~っと鼻についている状態になった。で、アレルギー性鼻炎でもあったので、耳鼻咽喉科にも診てもらったんだが、特に妙な臭いを感ずるような疾患・・・蓄膿症のような状態にはなっていない、ということだった。耳鼻咽喉科の医師も、「時間かかります・・・稀にこういうことはあります」ということだったね。インフルエンザでも嗅覚異常は起こることがありますな。なにせ経験者だからねぇ。
ただし!当時は1970年代である。インフルエンザという確定診断を行う現在のような検査キットはなかったからね。症状から判断して医師が「たぶんインフルエンザでしょう・・・」と診断するだけだ。そしてタミフルのような特効薬もないから、解熱剤と抗生物質を主体とした処方がされたんだな。ま、この抗生物質の処方というのが後々問題にはなったけどね。
ま、現在からは比較にならんほど、インフルエンザは大変辛かったですな。で、ワガハイがこの経験をしたのは、虚弱体質ながらも成長期のガキであったわけだ。それでも嗅覚異常から回復するまでに半年以上を要したんだな。果たして新型コロナの嗅覚異常も同様のメカニズムかどうかは知らんが、これは気長に焦らずに辛抱強く、快復を待つことになるのかもしれんな。
ま、嗅覚異常で臭いが分からなくなっていた時にもいいこと?はあったな。それは、とてつもなく酷い臭気を発しておった肥溜めの横を歩いても、全く問題が無かったということだな。当時はまだ、所々に恐るべきものが点在しておったんでね。
さてさて、香味感覚が正常であるので、健康に注意しつつ新酒の季節を楽しもうではないか。そう、楽しめる人は楽しまないと酒蔵が困る。酒蔵が困ると旨酒がなくなってしまう・・・ということで、ますます我がままに旨酒のみを無駄なく楽しむ日々を送りたいものだと、思うのであった。日本酒・・・この文化は死守したいと思いますな。
綺麗な癖のない米麹からアルコール発酵がなされているとイメージされる香味・・・酒米の種類としては、たぶん美山錦なんだろうか?美山錦だからそうなるのか?そのあたりは確信はもてないんだが、米麹というものがとても果物的なものとしてあるように思いましたな。かといってこの酒は香がプンプンするわけではなく、とても落ち着いているんだが、とても果実的な香味イメージを感じますな。だから香控えめな白ワインというものにも、似ていなくもない。そう、原料の米があたかもブドウ的に解釈されておるかのような・・・
いや~、このあたりは全くもって主観的すぎる感想だとは思うが、間違いなく、綺麗な癖のない麹でしょうな。う~ん、機会があったら相模灘の麹を直接テースティングしてみたいもんです。麹室がブルゴーニュだったりして・・・それはちょっと言いすぎかな?